欧州

2021.04.02

たばこ店でネットポルノ視聴登録 規制厳格化のフランスで提案

Sibuet Benjamin / Shutterstock.com

フランスでは今も、「tabac(タバ)」と呼ばれるたばこ販売店が村や繁華街でおなじみの存在だ。タバの多くはカフェも兼ねており、新型コロナウイルスが流行する今もテークアウトのコーヒー販売が行われ、店前には人々が集っている。

タバではこのほか、宝くじや、場所によっては焼き立てのクロワッサンも買える。大きな店舗ではさらに、新聞も販売。多くの店では、駐車違反の罰金支払いや、文書コピー、高速列車のチケットや切手の購入、携帯電話料金の支払いなど、さまざまなサービスが利用できる。

そんなタバがさらに、ネットでのポルノ視聴に必要な登録を行う場所になるかもしれない。

ニュースサイト「ザ・ローカル」によると、フランスで放送の規制を行う視聴覚高等評議会(CSA)は、年齢確認が不十分だという理由から、ポルノサイト大手8つに警告を出した。一部のサイトでは、18歳以上であることを自己申告するボックスをチェックするだけで視聴ができる。

警告を受けたサイトには「ポルノハブ(Pornhub)」のほか、フランスの「エックスビデオズ(xvideos)」や「ジャッキー・エ・ミシェル(Jacquie et Michel)」などが含まれる。こうしたサイトは2週間以内に、フランス国内での年齢確認手続き改善に向けた計画を提示しなければならない。

こうした規制の背景には、フランス議会が昨年夏に可決したドメスティックバイオレンス(DV)法がある。同法には、未成年に性的コンテンツの視聴を許した人に罰則を科す条項がある。

仏BFMビジネスによると、同条項に違反した人には禁錮3年と罰金7万5000ユーロ(約970万円)が科される可能性がある。また、サイト閲覧者が法定年齢に達しているかどうかの確認を怠った企業に対しては、なんと37万5000ドル(約4200万円)もの罰金が科される。さらにCSAは、フランスのIPアドレスを遮断してサイトを国内で閲覧不可能にする裁判所命令を取得することもできる。

タバでユーザーの年齢確認を行い、サイトで使用するコードを発行するというアイデアは、ポルノハブが提案したもの。同社は他にも、写真付き身分証明書との自撮り画像を使った年齢確認(これはネット銀行の口座を開設する手続きとして使用されることが多い)や、クレジットカードを使用する案も示した。

編集=遠藤宗生

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