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ラスベガス発 U.S.A.スプリット通信

Justin Sullivan/スタッフ/Getty Images

21世紀に入っても、アメリカの路上駐車のパーキングメーターは長らく3種類のコインしか受け付けない、前世紀の遺物のような不便さで悪評が高かった。

すぐに不具合を起こしたり、スロットがいじられてコインが入らなかったり、払っても払ったと認識されなかったり、その不便さは違法駐車の増加も後押ししていた。

しかし近年、全米各地で、少しずつ駐車場の支払いシステムが改善されてきている。

市単位で異なる米国の駐車システム


ラスベガス市は、このほど地域を管轄する電話会社と提携して、新しい駐車管理システムを開発し、6カ月のパイロットプログラムに入った。

これまでの常識を覆すような大きなタッチパネル機を車を停められる路肩に据えつけ、遠くからフロントガラス越しにも読み取れる大きなモニターで支払いを管理。利用性を向上させるとともに、違反者の取り締まりを強化するというものだ。

支払い方法も、現金は一切受け付けず、クレジットカードやQRコードを使ったデジタルペイメントなどに対応しているほか、テクノロジーが不得手なユーザーのために、自分の電話料金に加算させる形の支払いも可能だ。

なにより利用者がスムーズに支払えるようになっていることがポイント。走行中のクルマからでも、何台先に空きスペースがあるなどの表示が見られるので、のろのろとスペースを求めて走り渋滞を生じさせることもない。

しかし、これは「ラスベガス市」が開発した駐車システムにすぎない。実はネットで検索してみると、アメリカだけで、何百という駐車料金システムが存在している。

州単位どころか市単位でこういう開発をするものだから、自分たちのシステムがいくら便利だと主張したところで、利用者の目から見れば、ちょっと運転して市をまたいただけで、見たこともないパーキングメーターの精算機に出くわすことになる。利用者は、どういう操作をすればいいのかを理解するところから始めなければならないため、とても効率が悪い。

そして、必ずしも精算機に書いてある利用説明書きはユーザーフレンドリーとは言えず、後ろに人が行列しているなかで利用者がおろおろとする姿は全米各地で見られる。

ようやく最終の操作まで行えたと胸をなでおろしていると、駐車券の印字用紙が用紙不足になっていて発券できないとキャンセルされることもときどきある。

これらの事態からわかることは、改善のポイントが、決して技術革新ではないことだ。

今回のラスベガス市の駐車システムは、セキュリティーカメラによって車のナンバープレートまで読み取ることができる。そのため、市当局の鼻息は荒く、1分でも時間超過すれば罰金を課金できるとか、歩行者の安全を確保するとか、交通の流れを読み取ってより正確な渋滞情報を発するとか主張している。

しかし、利用者にとって大事なことは、そういった技術革新ではなく、全米各地のどこで車を停めてもスムーズに支払いができるということではないだろうか。

その点、日本の駐車メーターは素晴らしい。日本のどこに行っても同じ緑色の「あの機械」で支払いができ、同じ仕組みなので戸惑うことがない。もし、機械に不具合があれば、そこに示してある電話番号に連絡すれば、ライブで人間が応対してくれる。

文=長野慶太

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