──村上さんの著書にもある「タグづけ」のコンセプトがすごく面白いと思いました。コロナの影響も相まってさらに個人というコンセプトが強まっているという風には感じているんですが。
村上:政府も含めてDXが押し出される中で、オンライン上の自分のプレゼンスというのをどういう風にするのか。もちろん投稿が必要になりますが、ただ無闇な投稿は意味がありません。
自分の「タグ」は自分が決めるのではなく、周りに認知されることなんです。どういう認識をされて、どう声をかけてもらえるのかというところの逆算が大切になります。
自分のホームページを作ってSEOするのと同様のことが起きているんです。どういうワードで探すと自分に行き着くのか、というような導線作りです。ネットワーキングの仕方とは、人それぞれ心地よい温度感が見つかると良いですよね。
──タグは振り返って整理されるんですか?
村上:これはわりと揺らぎがあって、このタグときめたら一生それではなくて、二軍か一軍かを見極める必要がありますね。
僕は、昔からモバイルというタグを持っていました。当時はアプリが作れるだけで、引きが凄かったわけです。でも今では全く言われないですからね。それが僕がヤフーにおいて、賞味期限が切れたと思った瞬間でもあるんですよね。これで向こう10年は無理だという肌感がきちゃったんですね。新しい何かを立てないといけないと。
──ご自身で気づかれたんですね。
村上:本にもありますが、基本的には他己紹介が一番分かりやすいんです。仲良い人が僕のことをどうやって紹介してくれるのかを、今クラブハウス等で毎回体感しています。「村上は今リンクトインだけど、モバイルのやつでさ、でもフットワークが軽いやつなんだよ」とか言われます。「雑!」とか思いながら、でもそういうところからヒントって得られるんです。自分はこういう風に認知されているんだなと。
ネットワークは、「人に頼ること」から
──先ほどから、繋がり、ネットワークという言葉が印象に残ります。第一印象というのは大切と言いますが、お二人ともゆるいネットワーク作りにおいて、どのようなことを気をつけていらっしゃいますか?
村上:私は人に頼っています。人が繋がるときって、仲立ちになる人がいるはずです。そうするとその人が、勝手に僕の営業担当として代わりに話してくれます。人づてで広がっていくと、結構良いゆるいつながりができます。カジュアルな交友関係まで広がる。ビジネスで仲の良い人には、興味や好みがわかってもらえていますから。
これが仕事にも役に立ちますね。紹介して欲しい人がいれば、そのネットワークに知り合いがいるか見てみるんです。興味があるからこういう文脈で相談したいですというと、結構アポが取れるんですね。