台湾のニュースサイトDigitimes が報じたサプライチェーン関係者の話によると、アップルのiPhone向けチップの最大の製造元であるTSMCは、「次期iPhone 13シリーズに搭載されるA15チップの生産を5月末までに開始する見込み」だという。このスケジュールで進めば、iPhone 13は発売後わずか10〜11カ月のiPhone 12を置き換えることになるかもしれない。
そして、iPhone 12シリーズが商業的に成功しているにも関わらず、アップルの判断は理にかなっている。パンデミックによるサプライチェーンへの影響を受けて、昨年のiPhone 12シリーズの生産は遅れ、同シリーズのA14チップの生産開始は6月末になっていた。その他の供給上の制約もあって、このモデルが店頭に並ぶのは2020年11月13日となり、iPhone 11(2019年9月20日)よりも約2カ月遅れだった。
しかし現在、アップルは再び軌道に乗りつつある。iPhone 11のA13チップの生産開始は4月だったが、アップルはその後、生産スピードを倍に伸ばした模様で、今年のiPhone 13は9月か10月に発売されることも予想できる。
これは、年内にiPhoneを買い換えようとしている人には朗報と言えるが、これからiPhone 12を購入しようと考えている人には、悩ましい報せでもある。
一方で、iPhone 13に搭載されるA15チップが、先週アップルが誤ってリークしたM1にインスパイアされたA14Xチップのような強力なものであれば、これは待つ価値のある端末になることだろう。
アップルが今後iPhoneのノッチを減らし、アップグレードされた5G体験を提供し、MagSafeを強化し、バッテリー寿命を伸ばし、Touch IDを再導入し、画期的なカメラ体験を提供する方向に向かう中で、次世代のモデルがどのように進化するのかを予測するのは難しい。アップルは今、折りたたみ式のiPhoneの開発に取り組んでいるとも報じられている。