ダッパーラボは3月30日、テック関連に特化した投資企業Coatueが率いる資金調達ラウンドで、3億500万ドル(約340億円)を調達したとアナウンスした。バンクーバーに本拠を置く創業3年の同社は、関係筋によると26億ドル(約2880億円)と評価されたという。
ダッパーラボの共同創業者でCEOのロハム・ガーレゴズルー(Roham Gharegozlou)は、フォーブスの取材に、「投資家は、我々のオープンなプラットフォームに巨大な賭けを行っている」と述べた。
同社がプロバスケットボールリーグのNBAと立ち上げたゲームのNBA Top Shotでは、NBA選手たちが試合中に披露した決定的瞬間の動画「モーメント(Moments)」を、ユーザー間で売買することが可能になっている。ダッパーラボは、Flowブロックチェーンのエコシステムを用いてモーメントのNFTのトレードを管理している。
NFTの市場規模は2020年に2億5000万ドルを超えたとされており、エンタメや音楽業界の参入も相次いでいる。先日のクリスティーズのオークションでは、ビープル(Beeple)と呼ばれるアーティストのデジタルアート作品が約6935万ドル(約75億円)という驚異的金額で落札された。
そのブームの先頭を走っているのがNBA Top Shot だ。現在、このアプリには80万人以上が登録し、そのうち33万8千人が少なくとも1つの作品のNFTを所有している。
今回のダッパーラボの資金調達には、アンドリーセン・ホロウィッツや、Chernin Group、ユニオン・スクウェア・ベンチャーズ、Venrock、本田圭佑のDreamers VCに加え、バスケットボール界のレジェンドであるマイケル・ジョーダンや、サクラメント・キングスのオーナーのヴィヴェック・ラナディヴェも参加した。
また、ブルックリン・ネッツのケビン・デュラントや、セントルイス・カージナルスのノーラン・アレナなど、30人以上のプロスポーツ選手が参加した。
独自のブロックチェーン基盤「Flow」を開発
NBA Top Shotは、ダッパーラボのガーレゴズルーCEOにとって初めてのNFTビジネスの試みではない。初期の試みであるCryptoKittiesというゲームでは、ユーザーが猫のNFTを集めて繁殖させることができたが、イーサリアムを基盤としたブロックチェーンを混雑させ、取引コストが高騰したことにより、ユーザー離れを招いていた。
現在35歳のガーレゴズルーはその後、独自のブロックチェーンプラットフォームFlowを構築し、NBA Top Shot を成功に導いた。「CryptoKittiesでは1年で処理していたトランザクションボリュームを、Top Shotでは1日で処理できる」と彼は話した。
Flowのプラットフォームは、クリプトアートのマーケットプレースのVIV3.comにも利用されており、ワーナーミュージックやモバイルゲーム企業のAnimocaも、このプラットフォーム上でプロダクトをリリースしようとしている。