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2021.03.31 06:00

ビリオネア李嘉誠のVCも支援 植物由来の脂質開発に挑む企業


ピートリーとレイタは2013年、オーストラリアの国立科学機関であるオーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)で脂質の研究をしていたときに知り合った。

ピートリーは元々、すじまき作物の専門家だ。長鎖オメガ3脂肪酸を含むよう修正された菜種油を通じ、世界初の植物由来で持続可能なオメガ3の入手源を作り出していた。レイタは化学エンジニアで、以前はバイオ素材でできたペプシコのボトルを作っていた。

2人は、植物由来食品の新たな産業が非動物由来の脂質を得る持続可能な方法を必要としていることに気づき、2019年にノーリッシュ・イングリーディエンツを設立した。

潜在的な市場は大きい。脂質は重量を基準とすれば乳製品の4~80%、肉製品では5~20%を占めている。また脂質は、消費者が求める味や食感の基準を満たす機能的役割を果たしている。

同社の競合には、ココナツを基盤とした代替脂質を提供するスペイン企業キュービック・フーズ(Cubiq Foods)があり、世界では他にも研究が行われている。

こうした植物由来の代替食品は加工度が高く、正しいものを作るには多くの繰り返しが必要とされることもある。レストランや食料品店で現在売られているものの大半は来年から新たな製法になる予定だ。

こうした隙間を埋めようと、モティーフ・フードワークス(Motif FoodWorks)など植物由来食品のスタートアップが他にも次々と設立されている一方で、インターナショナル・フレーバー・アンド・フレグランス(IFF)やアーチャー・ダニエルズ・ミッドランド(ADM)のような上場企業もブランドの獲得を目指している。

ノーリッシュ・イングリーディエンツは、同社がこうした新たな製法に貢献すると確信している。同社には、既に数十社の企業からサンプルの注文が寄せられているとのことだ。

ノーリッシュ・イングリーディエンツの最高経営責任者(CEO)を務めるピートリーは「動物の生態学は有機体に限られている。これはベストなやり方ではない。私たちは、それよりもはるか上を行くことができる」と語った。

翻訳・編集=出田静

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