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2021.04.03 12:00

ロサンゼルスに建設期待、中国BYDの「次世代モノレール」計画


スカイレールのモノレールは、フリーウェイ405号線の中央分離帯の上を音をたてずに走ることになる。この路線は、SFバレー・サンタモニカからLA国際空港付近を通りオレンジ郡に抜けるカリフォルニアで最も混雑するエリアをつなぐことになる。

静かに走る列車は、サンフェルナンドバレーにある通勤電車のヴァンナイス駅からロサンゼルス西部の地下鉄やライトレールの駅までを、24分でつなぐ。L.A.メトロによると、2分間隔で発車する6両編成の列車を走らせて、1時間あたり、それぞれの方向に約1万4000人の乗客を運ぶことが見込めるという。

同グループは、ロサンゼルス国際空港までの延伸も提案しており、バレーから空港までのプロジェクト全体を95億ドル以下で建設できるとしている。

米国人はモノレールを知らない


LAにおいても、安価で建設が容易な未来型高架鉄道のモノレールを待ち望む声は高かった。しかし、1959年からはアナハイムにモノレールができ、ディズニーランドを訪れる人々を運んでいるが、米国ではこのような交通システムがモビリティーの解決策としてはほとんど普及していない。交通システムの研究者によると、コストは期待したほど低くなく、運用効率も従来の電車や地下鉄のようにはいかないという課題があるという。

オーストラリアのシドニーや日本では、モノレールはうまく機能しているが、線路の形状が独特であるため、システム全体に簡単に組み込むのは容易ではないという。

これは、LAが交通システムの大規模化と統合に取り組む上で、重要な検討事項となる。2028年のオリンピック開催に向けて、現地では複数の大規模プロジェクトが進んでいる。

BYDの担当者は、インドや日本、中国などではモノレールシステムがうまく機能しているが、米国の交通局の担当者は、モノレールに関する知識が足りないと話した。「彼らはモノレールに乗ったことがない。実際に見たことがないので、それが高速で多くの旅客を運べるソリューションであることを知らないのだ」と彼は話した。

編集=上田裕資

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