調査会社ニールセンIQの指標によると、2020年3月から2021年2月までに、小売業界はトイレットペーパーとペーパータオルだけで15億ドル(約1650億円)を超える売り上げを失った。品切れになりやすい上位10品目の売り上げ喪失額は計30億ドル(約3300億円)近くに達する。
ニールセンIQの分析では、在庫不足はパンデミック初期に起きたパニック買いの時期だけでなく、その後も一貫して小売業者にとって頭の痛い問題になってきた。
販売機会の損失が最も大きかったのはトイレットペーパーで、欠品によって8億3650万ドル(約920億円)の売り上げが消えた。次に大きかったのはペーパータオルでの6億8930万ドル(約760億円)で、以下、多目的クリーナー、ドッグフード、キャットフード、シリアル、洗濯洗剤、石けん・ボディーソープ、冷凍ピザ、スープと続いている。
ニールセンIQのリチャード・クックは、品切れは小売業者にとって大幅な売り上げ喪失につながることがあるばかりか、顧客の満足度や忠誠心を下げるおそれもあると指摘する。
ニールセンIQの調査によれば、3割の人は探しているものが普段通っている小売店になければ別の店に行くと答え、いつも買っている商品がなければ別のブランドの商品を買うと答えた人は7割に達した。
実店舗で商品が見つからなかった人がアマゾンやウォルマートの通販サイトに流れることも当然予想される。