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2021.04.01 10:30

仏教・供養xIT 見落としがちな「デジタルは手段、本質は心」の原則

Getty Images

「仏教とIT」というと、なかなか相容れないように思えるが、近年、コロナ禍の影響によりオンライン葬儀や読経中継といったサービスの存在が徐々に目立つようになってきた。

こうしたサービスは、本当にコロナ禍によって押し進められた仏法僧の革新的なムーブメントと言えるのか。

葬儀社スタッフ、編集プロダクション勤務を経て、2010年からデジタル遺品や故人のサイト、SNSなどの取材を本格化したフリー記者の古田雄介氏。著書に『故人サイト』(社会評論社)や『スマホの中身も「遺品」です』(中央公論新社)などがあり、日本の「デジタル遺品、デジタル終活」研究の第一人者である。

仏法僧といっても、日本では宗教行為と供養行為が複雑に入り交じっている。たとえば、お葬式は「葬儀」という宗教儀式と、「告別式」という人前式が合わさったものだ。法要は宗教行為だが、親族が集まる機会や口実という側面もある。

だから「仏教とIT」というテーマは表層で捉えるよりも、「ニーズの本質はどこか?」という視点で向き合うほうがわかりやすいと古田氏はいう。そのうえで、仏法僧/供養と分けてそれぞれのデジタル化の現状、また今後どこまで浸透していくのかについて話を伺った。


仏教というと日本では馴染み深いようで、意外とよく知らないという人が多いのではないだろうか。日本人の多くがお寺にお参りに行ったり、法要をしたりするが、実際に仏教を信仰していて、実家が何宗であるか知っている人はあまり多くないだろう。

デジタル社会に生きる現代人にとって、今後ますます仏教との関わりは薄れていくのでは、と危惧される向きもあるが、「実は『スマホの世界から入れるお寺』のようなものはすでに存在しているのです」と古田氏は言う。

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古田雄介氏

定着したウェブサービスも 僧侶への「お布施」は?


hasunoha」は、悩みや質問を投稿すると、全国の僧侶が仏教の教えをもとに回答してくれるというQ&A形式のサービスだ。2012年にフリーエンジニアの人がサービスの枠をつくり、現在では、取り組みに賛同した約300人もの僧侶がhasunohaに在籍しているという。

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hasunohaのトップページ(画像提供:ロータスリーフ)

さまざまな質問・相談があるが、下記のように「死別体験から来る苦しみをどのようにして乗り越えればよいか」、という相談事は多いようだ。


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質問者からの質問の一部例(画像提供:ロータスリーフ)

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上記、質問者からの質問に対する僧侶からの回答(画像提供:ロータスリーフ)
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取材・文=長谷川寧々 編集=石井節子

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