ビジネス

2021.03.30

マクアケと徳島市が連携 36歳の女性起業家と市長が目指す「女性・若者の活躍推進」

左:徳島県徳島市市長・内藤佐和子氏と右:マクアケ共同創業者/取締役・坊垣佳奈氏。


大事なのは「違いを認める」こと|マクアケ 坊垣佳奈氏


──ジェンダーだけでなく、国籍や人種、年齢など、あらゆるバックグランドを持ったリーダーが増えるためには、どのような視点や工夫が必要だと思いますか。

お互いに理解し合うことがすごく重要です。理解し合うとは、「完全に理解して同じものにならなければいけない」ということではなく、「違いを認める」ことです。

日本には、性別や年齢、国籍だけでなく、ちょっとした「派閥」のようなグループがあったりします、たとえば大学とか、住んでいる地域とか。そういった多少の意識の差によっても、ズレが生じていると感じることは多々あると思います。あらゆる面において過剰に意識するのではなく、できるだけフラットな見方を意識することは重要です。

ただそのときに、たとえば女性の場合は、男性と比べて体力がなかったり、生理による不調があったりということが実態としてあるわけです。それをなるべく男性側に理解してもらうことが重要ですが、そのときに女性側も「女性にはこうした実態があるということを、男性は理解しづらいんだ」ということを理解しなければならない。

「わかってくれて当然」ではなく、そうしたお互いの分け隔てない理解というのが重要だと思います。そうすると、「違うからこういう発想になるんだ」とか「ここはわかってもらえなくて当然だったな」というように許し合うことができる、そう考えます。

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──理想とする女性像はありますか。

女性ということに特にこだわりはないのですが、男女ともに先見性があってフラットな方、偏った見方をしない人が理想ですね。

経営者って独自の視点や感覚が重要なので、わりと尖った感覚をもつ人が経営者になりやすいのですが、同時に、みんなで頑張らないと、組織経営って続かないですよね。だから、経営者には、「人がちゃんとついてくる」器量もとても重要なんです。なので「この人のために頑張ろう」とみんなが思えるようなフラットな感覚を持っている人に、男女ともに憧れますね。

──坊垣さんのような方を目指して社会で広く活躍していきたいと考える若い方、特に女性に向けてメッセージをお願いします。

自分らしさを活かして幸せを感じることができれば、他人の成功や世の中の成功の価値観に引きずられる必要は本当にないと思っています。無理やり「この人を目指そう」と考えるのではなく、自分と対話をして、自分にとって何が幸せか、どういう状態を目指せば、自分を大事にしてあげられるかどうかを考えることが大切です。

自分を大事にできると余裕ができ、周りも大事にすることができます。私自身、自分を大切にすることをすごく意識していて、そうすることで周りの社員にも「自分を大切にしようね」と言ってあげることができる。

そうすると、今度はその社員がお客様のことを心から思って働くことができる。というように、すべてにつながっていくんです。なので、まずは自分が自分自身を大切にすることを意識してほしいなと思います。
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取材・文=長谷川寧々

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