ビジネス

2021.04.03

「分散化されたTikTok」目指す動画プラットフォームFireworkの野望

Getty Images


ブルームバーグやロイターも動画を配信


Fireworkは、これまで累計5500万ドルの資金をライトスピード・ベンチャー・パートナーズやIDG Capitalなどから調達しており、現在も積極的な資金調達を行っている。

さらに、ブルームバーグやロイター、EasyJetなどの有名企業がFireworkのネットワークに参加し、グーグルも同社のプラットフォームから短編動画を配信している。Fireworkは現在、世界で2億5千万人以上のユーザーにリーチしているという。

Fireworkは、外部のウェブサイトが既存のプロパティに統合できる独自の動画プレーヤーを提供している。例えば、アパレルブランドであれば、商品ページに静止画像の代わりにモデルがポーズをとるショートビデオを掲載できる。

Fireworkはさらに、パブリッシャーにもサービスを提供しており、彼らはFireworkのプラットフォームを利用して、TikTokのような体験を自分たちのユーザーに提供できる。メディア企業は、Fireworkの広告サーバーを利用して、コンテンツの収益化を図ることが可能だ。

Fireworkのユーザー体験がユニークなのは、アプリ内だけでなく、動画プレーヤーを組み込んだウェブサイトに、他のパブリッシャーが提供する厳選されたコンテンツを掲載できることだ。これにより、ユーザの滞在時間を伸ばすことができる。また、コンテンツのクリエーターは、より多くのオーディエンスにリーチできる。

Fireworkのゴールは、あらゆるウェブサイトの運営者に、特定のソーシャルアプリに頼らずに、トラフィックを誘導し収益を上げる機会を与えることだ。ヤンは、このツールの利点を、Eコマースの世界で中小企業がアマゾンに対抗できるようにしたShopifyに例えている。

ヤンは今後もFireworkを独立した企業として運営し続け、将来的に上場させたいと考えている。

「私たちは、巨大なテクノロジー企業に対抗するために、オープンなインターネット上の統一戦線を構築していきたい」とヤンは語った。

編集=上田裕資

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