ネバダ州カーソンシティに本拠を置くレッドウッド・マテリアルズは、パナソニックやアマゾンと提携し、バッテリーのリサイクルを行っている。同社はERIに出資し、ストラウベルが同社の取締役に就任する。出資額は明らかになっていない。
レッドウッド・マテリアルズは、ERIが回収したリチウムイオン電池を1週間当たり30トン受け取るという。ERIからは、使用済みのソーラーパネルも受け取り、原材料を回収する。
「我々は、ERIが回収したバッテリーの100%を受け取るが、かなりの数に達する見込みだ。今後は、両社が協力して数量をさらに増やし、原材料を再利用していきたい」とストラウベルは述べた。
ストラウベルは2003年にイーロン・マスクと出会い、テスラを共同創業し初代CTOを務め、電気モーターやその他の技術の設計に貢献した。彼がテスラを離れることは、2019年7月の四半期決算説明会でマスクから突然発表された。
ストラウベルは、テスラ時代に世界中からコバルトやリチウム、ニッケル、銅を調達してEV用バッテリーを製造した経験から、原材料が枯渇するリスクや、環境に与える影響を懸念するようになったという。
未公開企業のレッドウッド・マテリアルズは、ネバダ州で2つの処理施設を運営しており、年間2万トンのバッテリーを処理している。同社は2020年9月にアマゾンが温暖化対策のために設立したファンド「Climate Fund」などから4000万ドルを調達していた。
ERIの創業者兼エグゼクティブ・チェアマンであるJohn Shegerianによると、レッドウッド・マテリアルズとは、ノウハウの相互補完が期待できるという。ERIは、使用済みのパソコンやモニターなどをリサイクルし、ガラスやスチール、アルミニウム、プラスチック、銅、鉛、金、銀、パラジウムを回収するノウハウを保有する。
同社は、ベストバイやStaples、LG、サムスン、ボーイング、レイセオンなどの企業や、政府機関から年間10億ポンド(約45万トン)を超える電子廃棄物を回収・処理しており、有害な産業廃棄物が土壌や地下水を汚染することを防いでいる。
しかし、使用済みのリチウムイオン電池のセルやソーラーパネルの量が増加傾向にあることが大きな課題となっている。