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(c)Arrival

EV(電気自動車)のスタートアップ企業「アライバル(Arrival)」は3月25日に米国のナスダック市場に上場し、初日の取引を開始した。

ロンドン本拠のアライバルは、超軽量の電動トラックとバスを製造している。25日の株価は22.40ドルで始まった後、一時18.30ドルまで下落したが、22.80ドルで当日の取引を終了した。これにより、まだ車を走らせたことのないアライバルの創業者兼CEOで、発行株式の76%以上を保有するデニス・スベルドロフの保有資産は、106億ドル(1兆1600億円)まで膨らんだ。

アライバルは、SPAC(特別買収目的会社)のCIIC Merger Corp.との合併により上場した。CIIGの会長で、映画制作スタジオのマーベルを経営破綻から救った企業再生家として知られるピーター・クネオは、アライバルについて、「ゲームのルールを変えることを約束する革命的な企業」と述べていた。

アライバル創業者のスベルドロフは、1978年に旧ソビエト連邦のジョージアで生まれ、10代でモバイルアプリのコードを書き始めた。彼はテクノロジー分野で様々な経験を積んだ後、2012年にロシアの携帯電話メーカーYotaを12億ドルで売却して財を成し、ロシアの通信副大臣を11カ月間務めていた。

2015年、スベルドロフはロンドンに移り、5億ドルを調達してハイテク分野の新興企業への投資をスタートした。彼が最初に投資したのが、後にアライバルと呼ばれることになるChargeという企業だった。

その後の6年間で、スベルドロフはEV分野で注目を集め、環境への配慮を求められる配送用バンやバスの運営会社などとの契約を結んできた。物流企業のUPSは、アライバルに総額10億ドル相当の1万台のバッテリー駆動の商用バンを発注しており、年内に公道を走らせようとしている。

過去1年以内にSPACと合併したEVメーカーとしては、フィスカー(Fisker)やカヌー(Canoo)、Lordstown Motors、水素トラックメーカーのニコラ(Nikola)などが挙げられる。そんな中、アライバルの車両はコストの低さをアドバンテージとしている。

アライバルは、車のシャーシにアルミニウムを使用し、ボディパネルには独自の複合材料を使用して軽量化を実現した。これにより、バッテリーの小型化と低コスト化を実現し、車両1台あたりのコストを4万ドルまで引き下げることに成功した。

アライバルのCFOを務めるTim Holbrowは昨年、投資家らに2024年までに同社が140億ドルの売上をあげることを期待していると述べた。テスラの2020年の売上は、315億ドルだった。

編集=上田裕資

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