コロナワクチンを接種した母親 出産した子どもに抗体が確認

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フロリダ州の医療従事者のある女性は、妊娠36週目でモデルナ製の新型コロナウイルスワクチンの1回目を接種し、その3週間後に健康な女の子を出産した。出産時の新生児の臍帯血(さいたいけつ)のサンプルからは、新型コロナウイルス感染症の抗体の存在が示されていた。

この患者に関する査読前の論文で著者らが論じたように、インフルエンザや破傷風、ジフテリア、百日咳(ぜき)の抗体は、母親が妊娠中にワクチンを接種することで胎児に受け継がれる。まだワクチンを接種できる年齢に達していない新生児は、このようにして最大6カ月間、病気に対する予防効果を得られることが過去示されてきた。新型コロナウイルス感染症の抗体も、母から子へと受け継がれることで同様の予防効果が期待されている。

母乳で受け継がれたにしろ、へその緒を通じて子宮内で受け継がれたにしろ、新生児や乳児が急性の新型コロナウイルス感染症を発症するのを防ぐ上で、こうした抗体が十分かどうかはまだ不明だ。抗体によりある程度予防できることは見込まれるものの、インフルエンザやジフテリア、破傷風、百日咳など通常接種されているワクチンと同様、乳幼児に新型コロナウイルス感染症のワクチンを接種することにはやはり、メリットがある。

米食品医薬品局(FDA)により緊急使用許可(EUA)を付与され、18歳以上を対象とした使用が米国で許可されているモデルナ製ワクチンは先日、乳幼児の間でのワクチン投与やその安全性・有効性を評価するため生後6カ月から11歳の子どもを対象とした臨床試験を始めた。

6000人以上の子どもを対象としたこの調査結果が報告されるまでの間は、ワクチンを接種した母親から生まれた新生児は抗体により、生まれてから数カ月間は新型コロナウイルス感染症からある程度保護されるだろう。

翻訳・編集=出田静

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