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米製薬大手ファイザーのフランク・ダメリオ最高財務責任者(CFO)の発言に、多くの人が眉をひそめている──同社の新型コロナウイルスのワクチンは現在「パンデミック価格」で提供しているもので、いずれは変更もあり得るとして、値上げの可能性を示唆したためだ。

2回の接種が必要な同社のワクチンの価格は、2回分で39ドル(約4300円)。米国で緊急使用許可を得ている新型コロナワクチンの中で、最も高額になっている。同様に2回の接種が必要な米モデルナ製、1回の接種で済む米ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)製のワクチンは、それぞれ32ドル、10ドルだ。

ちなみに、小売大手ウォルマートや薬局チェーンCVSの店舗などでも接種が受けられる4価インフルエンザワクチン(4種類のウイルス株に対応、年1回接種)は、35~41ドル。帯状疱疹のワクチン「シングリックス」は、薬局で接種した場合で160~200ドルとなっている。

これらの価格から考えれば、新型コロナワクチンの価格は「妥当」以上といえるだろう。つまり、ダメリオがワクチンの「パンデミック価格」について議論しても、それが間違いだとはいえない。

価格は急騰する?

新型コロナワクチンの価格は、パンデミックが収束すれば急上昇するのだろうか?ダメリオは、値上がりはするとの見方だ。その際、価格はワクチンの有効性や免疫機能を高める効果、臨床的な有用性といった要素に基づき、決定されることになるという(確かに、それはそういうものだろう)。

だが、実際のところ、すでに接種が開始されているワクチンのほか、英アストラゼネカ製や米ノババックス製のものなど、今後数カ月のうちに緊急使用が承認される見通しのワクチンには、比較可能なデータがない。

ファイザーやモデルナのワクチンがどちらも95%程度の有効性を示しているのは素晴らしいことだが、これらは主に当初から感染が広がっていた「野生型」の株に対する有効性を示すものであり、新たに出現している「変異株」への有効性は明確ではない。

編集=木内涼子

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