あたらしい時代を迎える日産自動車の中核となるような、ピュア電気自動車だ。カタチもそれにふさわしい新しさがある。スムーズな表面処理をはじめ、従来、ラジエターのために冷却気を採り入れていたグリル開口部のところには、日本の伝統的な組子パターンが表現されたパネルを配し、いわゆるグリルレス。フロントマスクも、クーペライクな全体のシルエットも、従来の日産車とは一線を画している。
なにしろ、骨格からして新しい。日産の新世代のEV用プラットフォームを使い、プロポーションも、従来のようにエンジンをもたないぶん、とてもコンパクトなボリュウムのフロント部分など、個性的なプロポーションが光る。
内容は、モーターをフロントに1基だけの前輪駆動タイプと、前後に1基ずつ配した全輪駆動タイプと、2本立ての車種構成。
すこしだけ性能に触れておこう。バッテリーは90kWh時の容量をもち、前輪駆動モデルの航続距離は610kg(4WDは580kg)というから、充電回数も少なくて済むだろう。実際に売り出されたからかなり使い勝手がよさそうだ。
日産では、2020年12月にアリアの先触れとして、おなじ「タイムレス・ジャパニーズ・フューチャリズム」なるデザインテーマ採用のハイブリッド(日産ではe-POWERという)新型「ノート」を市場に導入。スムーズな走りが印象的だ。
「日産アリア」も、おそらく最新の制御技術が採り入れられ、走りがよさそうだ。「アリア」の4WDモデルには、スカイラインで知られた、ハンズフリー走行機能「プロパイロット2.0」も搭載されるという。
このところ、出来のよいEVが内外で登場。「日産アリア」も、軽快なスタイリングから、素晴らしい内容を期待している。