ビジネス

2021.03.26

トヨタのウーブン・キャピタル、米ロボット配送企業Nuroに出資

(C)NURO

カリフォルニア州マウンテンビュー本拠の自動配送に特化したロボティクス企業「Nuro(ニューロ)」は、トヨタのグローバル投資ファンドのウーブン・キャピタルと、メキシコ料理チェーンのチポトレから出資を受けたことを発表した。今回の出資はNuroのシリーズCラウンドの資金調達の一部という。

今年1月に設立された運用総額8億ドルのウーブン・キャピタルにとって、Nuroへの出資は初めての投資案件となった。出資額は開示されていない。

Nuroは新たな資金で無人自動配送車の開発を加速させるとみられ、同社のR2デリバリーワゴンを用いたチポトレのメニューの宅配が、近い将来に実現しそうだ。

同社は昨年11月に、ティー・ロウ・プライスやフィデリティ、ベイリーギフォードなどのグループから5億ドルを調達したと発表していた。さらに、2019年2月には、ソフトバンクのビジョン・ファンドから、9億4000万ドル(約1030億円)を調達していた。

Nuroはウォルマートや食品スーパーのクローガー、ドラッグストアのCVSヘルスとも提携を結んでいる。「最高の投資家グループの支援を受けられることを嬉しく思う」と、Nuroの共同設立者で社長のデイブ・ファーガソンは、声明で述べた。

ファーガソンと共同創業者のジアジュン・ズーは、グーグルの自動運転部門に数年間勤務した後、2016年にNuroを創業した。オーロラを率いるクリス・アームソンは、彼らがグーグルに居た頃の同僚だった。

Nuroは当初、トヨタのプリウスをテスト車両として導入したが、現在はトースターのような外観のハンドルやペダルを持たない、小型バンのR2デリバリーワゴンの改良に務めている。

Nuroは消費者に配送料を請求せず、小売店から料金を徴収することで収益をあげようとしている。同社は昨年2月に米道路交通安全局(NHTSA)から公道走行許可を取得したと発表した。

また、8月にはカリフォルニア州自動車局から、ベイエリアのサンタクララ郡とサンマテオ郡の一部の道路で2台のR2をテストする許可を取得した。R2は、制限速度が35マイル(約56キロ)以下の道路を、最高時速25マイル(約40キロ)で走行可能という。

ウーブン・キャピタルのマネージング・ディレクターのジョージ・ケラーマンは、声明で「Nuroは、自律走行車による配達分野における真のリーダーであることが証明されている。彼らは最先端の技術と米国の大手ブランドとの強力なパートナーシップにより、コマース分野に革命を起こし、安全で効率的なデリバリーを実現する」と述べた。

編集=上田裕資

ForbesBrandVoice

人気記事