デザインとテクノロジーがビジネスの未来を変えていく

Maskot / Getty Images

ITとネットの普及により、ビジネスの仕組みは大きく変わってきている。これまではモノづくりができるメーカーに強みがあったが、最近ではモノだけの魅力にとどまらず、それを活用したサービスを含めて提供できる会社が企業力を高めているのだ。

特に、調理家電や電気を使わない調理器具など、私たちの身近な暮らしのなかにも、こうした「製品+サービス」の導入が加速してきている。今回は、その最新例を紹介しよう。

タイガー魔法瓶が今年1月、炊飯器「圧力IHジャー炊飯器〈炊きたて〉JPA-X100」を発売した。この炊飯器には、IoT機能が搭載されており、スマホのアプリと連携すれば、お米のストック残量の管理や自動再発注、銘柄にあった炊飯プログラムのアップデートまでが自動でできる。

この炊飯器でお米を炊くと、炊いた量がクラウドデータに記録され、これからの炊飯量をAIが予測。ストックが少なくなりそうなタイミングで、AmazonなどのECストアと連携したアプリから自動発注する仕組みになっている。これならお米を買い忘れることもないし、逆にストックを余らせすぎて風味を損なうこともなくなるはずだ。

圧力IHジャー炊飯器<炊きたて>JPA-X100
圧力IHジャー炊飯器〈炊きたて〉JPA-X100(右)とアプリの注文画面(左)

さらには、お米の銘柄に合わせて水加減や炊飯時間などを自動調整する銘柄炊飯も、IoTによって進化。これまでは、炊飯器本体にあらかじめプログラムされているだけだったが、ネット経由で最新データに更新できるようになった。

お米は、同じ品種でも収穫年によって味や粘り気などの特徴が微妙に変わってくるため、適切な水加減などの炊飯データも年ごとにアップデートするのがベスト。むしろこれからは、こうした炊飯器のIoTサービスに合わせて、お米の品種を選ぶ消費者が出てくるかもしれない。

続いて、バナソニックが2月に発売したIoT対応冷蔵庫「WPX」タイプを紹介しよう。こちらもスマホと連携するIoT家電。特にユニークなのが、重量から食材の残量をスマホで確認できる「ストックマネージャー」という機能だ。

管理したい食材をアプリに登録して、冷蔵庫内にある「重量検知プレート」に載せておけば、残量が自動で更新される仕組み。その情報は外出先からでもスマホで確認できるので、冷蔵庫内のストック状況が一目瞭然。さらに、家族や一緒に暮らす人同士で、スマホから冷蔵庫にいま何が入っているかが共有できるのも便利だ。

たとえば、冷蔵庫内の重量検知プレートにたまごが入ったパックを載せておくとしよう。そうすると、たまごの残量と日々の消費具合が可視化でき、たまごの買い忘れや食品ロスを防ぐきっかけにもなる。たまごの買い忘れは、家事をする人にとっての「あるある」を解決しようとしているわけだ。

文=中村祐介

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