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今回オークションに出品された土佐尚子のNFT作品「Sound of Ikebana:音のいけばな」のイメージ

いま、NFTとアートをめぐる話題が大きな盛り上がりを見せている。大きなきっかけは、歴史あるオークションハウス・クリスティーズで、BeepleというアーティストのNFT作品が6900ドル(約75億円)もの値をつけたというニュースだ。

NFTとは、ブロックチェーン上に保有できるNon-Fungible Token(非代替性トークン)のこと。いわば、デジタル資産(オリジナル)の所有を証明するオンライン権利書のようなものだ。アートだけでなく、音楽やゲームアイテム、動画、ライブチケットなどデジタルコンテンツの取引を可能にすると言われている。

NFTやブロックチェーンは、これからのアート市場をどう変えていくのか。NFT×アートの未来にはどんな可能性があるのだろうか。

現代アーティストのプロダクション事業を行う「HARTi」の代表で、昨年のForbes JAPAN 30UNDER30にも選出された吉田勇也さんに話を聞いた。

HARTiは、3月31日までの一週間限定で、ニューヨーク近代美術館(MoMA)にも作品が展示されているアーティスト・土佐尚子氏の新作NFTアート作品「Sound of Ikebana:音のいけばな」をオークションへ出品中。NFTを活用した国内外の持続可能なアート市場の開拓を目指している。


HARTi代表 吉田勇也さん(撮影=木下智央)

ビッグバンのような衝撃がアート界に走った


──アート界において、今回のNFTムーブメントはどんな意味を持つのでしょうか?

Beepleの衝撃は、それまでの常識がひっくり返るような「ビッグバン」並みのインパクトでした。

アート界が変わる時って、必ずこういうビッグバンが起きるんです。前澤友作さんがバスキアを落札したことなどもまさにその1つで、それ以降、日本でも起業家やいろいろな人たちが「現代アートってなんだ」「俺にも買えるのか」と一斉に興味を持ち始め、だんだんとアート市場が開かれていったという経緯があります。

今回、BeepleというアーティストのNFT化したデジタルアート作品が6900ドル(約75億円)の値をつけたという「事件」が、アート界に歴史として刻み込まれました。

これにより、暗号通貨を資産として持つ人たちをはじめとする投資家がNFT×アートに注目することになり、これまでアートマーケットにはなかったお金が一気に流れ込んできている状態です。このファーストウェーブに乗れるかどうかは、アート事業に関わる自分としても会社としても勝負だと考えています。

文=松崎美和子

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