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自動車業界で長年にわたり脚光を浴びてきた「MINI」の全シリーズが、今後10年間で電気自動車(EV)になる予定だ。

デア・シュピーゲル誌の記事をもとに、ニュースサイトのエレクトレックが報じたところによると、MINIは2030年までに全モデルのEV化が予測されている。内燃エンジン搭載車の新モデルが発表されるのは、2025年が最後になる見込み。その一方で、記事にあるとおり、MINIはBMWグループ初のEV化シリーズとなる。


全EVタイプのMINIクロスオーバー、2023年までに生産開始


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イギリスでミニ・エレクトリックとして知られるクーパーSEは、現時点ではBMWで唯一の純電気自動車だ。全EVタイプの「MINIカントリーマン(日本名はMINIクロスオーバー)」は、2023年までに生産を開始する見込みとなっている。電動タイプと内燃エンジン搭載車の両方が生産される。

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EV化事業を阻むものは?


ここまで述べてきた構想が実現すると仮定した場合、社長のオリバー・ツィプセ氏が決算説明会の場で、BMWのEV化計画を具体的に発表するだろう。

この点が強調されることは、BMWの最たる望みではないだろう。MINIはかなり注目度の高いブランドで、発表待ちのモデルが数台ある。また、主に山野を横断するような遠出ではなく、街乗りを意識している。BMWにとっても、ほかの大手自動車メーカーにとっても、ここでは走行距離は問題にならないので、今回のEV化に向けた新規事業が困難を極めるということはないだろう。

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EV化したMINIがもたらす結果


とはいえ、今回のEV化への移行はきわめて重要な役割を果たすはずだ。MINIは、ジャガー、ランドローバー、ボルボといった大手自動車メーカーが2030年に向けて立ち上げたEV化事業と歩調を合わせることになるだろう。フォードやGMなど、新事業に消極的だった企業が加わり、さらに広がりを見せていく。そうすると、電気自動車の動向に後れを取ったと感じた大手自動車メーカーが、内燃エンジン車に固執することは非常に難しくなるはずだ。

こうした経緯から、BMWはMINIによって新事業に着手する機会を得られたのである。この変化によって、BMWは、ガソリンで走る車にこだわる顧客をつなぎとめつつ、同時に1ブランドのEV化がどのような効果を生み出すのかを見極められる。今回のEV化事業でMINIがもたらす結果が、BMWの将来の戦略全体を間違いなく決定付けることになるだろう。


MINI COOPER SE – City Test Drive and Review

(この記事は、英国のテクノロジー特化メディア「Wonderfulengineering.com」から転載したものです)

翻訳=神原里枝 編集=石井節子

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