4年連続で首位に立ったのはフィンランド。2位以降はアイスランド、デンマーク、スイス、オランダが続いた。米国は今、苦難の時期を迎えているものの、昨年の18位から順位を4つ上げ、カナダを抜いて14位に上昇した。2019年の世界幸福度報告書では、米国はさらに低い19位だった。
世界幸福度報告書は国連の持続可能な開発ソリューション・ネットワークが2012年から毎年発表している。ランキングは通常、米調査会社ギャラップが行う世界世論調査のデータに基づいているが、今年は少し違った。複数の国で対面式の聞き取り調査が行えなかったことから、今年は新型コロナウイルスと幸福度の関係に焦点が当てられた。
報告書作成に関わったカナダ・ブリティッシュコロンビア大学のジョン・ヘリウェル教授は「人々に自分の生活を自己評価してもらったところ、驚くことに、幸福度の平均は下がっていなかった」と説明。「新型コロナウイルスを、全ての人に影響する共通の外的脅威として認識したことで、団結や仲間意識が強まったことが理由かもしれない」と述べている。
先述した以外の国では、ノルウェーが今年は少し順位を落とし、8位になった。同国は昨年5位、2019年は3位だった。英国は昨年から5つ順位を落とし、18位になった。ドイツは順位を10上げ7位に。そのほか、クロアチアが昨年の79位から今年は23位に躍進した。
また今年は、アジア諸国の多くが順位を上げた。韓国開発研究院(KDI)の王順は「東アジアの経験からは、厳しい政府の方針により新型コロナウイルス流行が効果的に抑えられる上、日々の感染者数が人々の幸福度にもたらす悪影響を緩和できることが示されている」と述べた。(編集部注:日本も昨年の62位から56位に上昇した)
12位のオーストラリアや9位のニュージーランドも同じような成功を収めた。報告書は「政府が行動を起こすと人々の士気が向上することが証拠から示されている」と説明している。
報告書では、幸福な国だけでなく、不幸な国も分析。今年はアフガニスタンやジンバブエ、タンザニア、ヨルダンなどが幸福度の低い国として挙げられた。
今年の幸福な国ランキング上位20カ国は次の通り。
1位 フィンランド
2位 アイスランド
3位 デンマーク
4位 スイス
5位 オランダ
6位 スウェーデン
7位 ドイツ
8位 ノルウェー
9位 ニュージーランド
10位 オーストリア
11位 イスラエル
12位 オーストラリア
13位 アイルランド
14位 米国
15位 カナダ
16位 チェコ
17位 ベルギー
18位 英国
19位 台湾
20位 フランス