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2021.03.24

ヘンリー王子、米スタートアップの「最高インパクト責任者」に就任

Paul Edwards - WPA Pool/Getty Images

英ヘンリー王子(36)がコーチングとメンタルヘルス面のサポートを提供する米スタートアップ、ベターアップ(BetterUp)の「最高インパクト責任者」に就任することが明らかになった。

ヘンリー王子は妻メーガン妃とともに米人気TV司会者オプラ・ウィンフリーのインタビューに応じ、大きな注目を集めたばかり。そのインタビューの中で王子は、王室からの金銭面での支援が断たれた後、経済的な問題に直面していたことを明らかにしていた。

米紙ウォールス・トリート・ジャーナル(WSJ)によると、王子はベターアップの管理業務に携わることはなく、製品戦略に関する決定や慈善活動などにアイデアを提供し、メンタルヘルスに関連のある問題についてのキャンペーン活動などを行う。

ベターアップのアレクシ・ロビショー最高経営責任者(CEO)はWSJに対し、共通の友人を介して昨年知り合ったというサセックス公爵の自社における役割について、「有意義かつ示唆に富んだものになる」と述べている。王子に支払う報酬については、明らかにしていない。

ベターアップは今年2月、シリーズDラウンドで1億2500万ドル(約136億円)を調達。このときの評価額は17億3000万ドルだった。

遺産で生活


ヘンリー王子は先ごろTV放送されたウィンフリーとのインタビューで、昨年初めに英王室の中心メンバーから外れ、公務を引退して以降、経済的な支援を受けられなくなっていたことを明かした。

母の故ダイアナ元妃から相続した遺産で生活し、他に収入源はなかったとして、「それ(遺産)がなければ、やってこられなかったでしょう」「家族の安全を維持するため、警備のために十分な費用が必要でした」と語った。

王子とメーガン妃は昨年9月、動画配信サービス大手Netflixと複数年契約を結んでおり、ドキュメンタリーや長編映画、子供向け番組などの制作を手掛けるとみられている。さらに、12月にはポッドキャスト番組を制作することでSpotifyと契約している。

「幹部」就任の目的


ヘンリー王子はこれまでも、メンタルヘルスの問題に対する認識を高めたいとの願いから、自身が精神面に問題を抱えてきたことについてオープンに語ってきた。

2017年にはパニック発作に苦しんできたこと、何年もの間「完全な混乱状態に陥っている」と感じていたことを打ち明けている。ダイアナ元妃が自動車事故で亡くなったとき、王子はまだ12歳だった。

王子はまた、「精神が完全に参ってしまう直前の状態」にまで何度も追い込まれていたこと、そうしたときに大きな助けになったのが、セラピストとの会話だったことを認めている。

ベターアップで役職に就くことになったことについては、メールでWSJに対し、次のように説明している。

「人々の生活にインパクトを生むことに役立ちたいと考えています」「積極的なコーチングは、自己啓発、認識の向上、そしてより良い人生に、無限の可能性を提供するものです」

ウィンフリーとのインタビューではメーガン妃も、結婚後に自殺を考えるようになっていたことを告白。バッキンガム宮殿にメンタルヘルスの面で支援が必要だと訴えたものの、助けは得られなかったと明かしている。

編集=木内涼子

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