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2021.03.24 07:00

イーベイの売買実績リポートに見る、コロナ禍と米国民の懐事情


売り手側が、物を売る動機として、収入を得る必要があったことを挙げているのに対し、買い手は、レアもののスニーカーや高級腕時計、トレーディングカードなどに大金をつぎ込んでいる。イーベイが2月に公開した「トレーディングカードの現状」リポートによると、トレーディングカードの売上高は、2020年に142%増と大幅な伸びを示した。取引されたカードの数も、2019年と比べて400万枚増えたという。

「多くの人が、つらい時期には、自分を幸せにしてくれるものに立ち戻ると回答している。それは多くの場合、コミックの本やトレーディングカードの収集といった情熱の対象、喜びをもたらしてくれるモノたちだ」とシェルハマーは指摘した。

イーベイ自体も、コレクティブルズ(玩具やトレーディングカードなどの収集品)市場や高級品のリセールに注力してきた。その一環として新たに追加されたのが、鑑定サービスだ。これは買い手に対して、買おうとしている物が本物だというお墨付きを与えるものだ。対象となるのは、1万5000ドルのロレックスや、サイン入りのベースボールカードといったアイテムだ。

イーベイは2020年、2000ドル以上の価格で取引されたすべての腕時計を対象に、「鑑定保証」サービスを開始した。こうした腕時計は、売買が成立した後で鑑定センターに送られる。鑑定センターでは、時計が本物であることを確認した後に、鑑定カードを添えて、買い手に配送するという仕組みだ。

イーベイでは、レアもののスニーカーに関しても同様のサービスを提供しており、2021年内に、対応する商品カテゴリーをさらに広げる予定だ。

直近のイーベイ決算報告によれば、同社の高級腕時計カテゴリーは、2020年第4四半期に、同年第3四半期との比較で2ケタ成長を記録した。さらに、同四半期のスニーカーカテゴリーは、前年同期比で3ケタ台の伸びを示している。

イーベイには、認定リファービッシュ(整備済)製品の保証制度もある。こちらは、掃除機、携帯電話、コンピューターをはじめとする整備済の家電や電子機器に2年間の保証を付与するものだ。

今回のリコマース・リポートによれば、売りに出されることが最も多いアイテムは、携帯電話やコンピューター、ゲーム機などの電子機器だという。

翻訳=長谷睦/ガリレオ

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