そして、新型コロナウイルスのパンデミックのあいだ、多くの人が実際に不要品を売却して現金を手にしていた。
イーベイは、3月16日に発表した「リコマース・リポート」で、イーベイユーザーがこの1年間に手元の品を売りに出した動機を検証している。その結果、イーベイを初めて利用した売り手のほとんどは、「所有していたものを、現金を得る目的で売りに出した人」だったことがわかった。
リポートの内容は、2月にイーベイが決算報告で明らかにした、パンデミックによって同プラットフォームで売買をする人が増えている状況を反映したものだ。2020年第4四半期、イーベイの売上は前年同期比で28%増加し、流通取引総額(GMV:gross merchandise volume、プラットフォーム上で売買された物品の総額)も前年同期比で21%増となった。通年で見ると、売上は前年度比で19%増、GMVは17%増加して1000億ドルを突破した。
このリコマース・リポートの報告内容は、米国、カナダ、英国、ドイツ、フランスの5カ国で、個人間の取引で手持ちの品を売った計4330人のイーベイユーザーを対象にした調査に基づいている。
米国では、調査対象となった売り手のうち72%が、2020年に入って、収入を増やすために手持ちの品を売り始めたと回答した。
売却を始めた理由として「パンデミックによって職を失ったこと」を挙げた売り手も、全回答者のうち14%を占めた。
また、手持ちの品を売る動機として、「中古品の売買には、サステナビリティや環境面でのメリットがあるから」と回答した人の割合は、ドイツ、フランス、英国では、米国とカナダと比較して2倍に達した。特にドイツでは、全体の39%が「環境に及ぼすプラスの影響が動機のひとつだ」と回答した。一方、米国ではこの割合は16%だった。
イーベイのバイスプレジデントで、バイヤーエクスペリエンスの責任者を務めるブラッドフォード・シェルハマー(Bradford Shellhammer)は、今回のパンデミックによって自宅にこもる生活を余儀なくされた消費者が、家にある物に目を向けるようになり、これが多くの人を売買行動に走らせた、という見方を示した。
より詳しく見ると、買い手の側は、気分的な変化を求め、室内を模様替えするために物品を買っている。一方、売り手のほうは「家の中にある物を見回して、『これはもういらないな』と考えている」と、シェルハマーは述べた。