今年開催された「CES 2021」は初の完全オンライン化での開催となった。そこで、JETROスタートアップ支援課長の島田英樹氏とCES 2021担当者の瀧幸乃氏、CESのプロデューサーであるConsumer Technology Association(CTA)の3者に、出展に至るまでの準備や注目を集めたスタートアップについて伺った。
JETROスタートアップ支援課長 島田英樹(左)と CES 2021担当者 瀧幸乃(右)
世界へのゲートウェイ、年々増加する日本スタートアップのCES出展社数
JETROは、CES 2019よりスタートアップ専用エリアとして近年特に投資家や大手企業から注目を浴びる「Eureka Park(エウレカパーク)」に、JAPAN/J-Startupパビリオンを設置し、世界に挑む革新的な日本発のスタートアップの出展を通じたグローバル展開を支援してきた。2019年は22社、2020年は28社、そして3年目を迎える2021年は過去最多の53社が出展し、年々CESに出展するスタートアップの数は右肩上がりだ。
増加の背景としては、CESという展示会自体及びJETROとしての支援実績の日本国内における認知度向上、また今年はデジタル化開催のために参加のハードルが例年よりも下がったことが挙げられる。参加した日本企業は、世界的なメディアカバレッジ、PRを目的としており、海外の代理店探しをしているところも多い。
●CES出展スタートアップ企業の過去3年間の推移
出所:JETRO作成(出展企業53社リスト)
CES初の完全デジタル開催、JETROとしての新たな挑戦
リアル開催が想定されていた6月頭に出展企業の募集を開始したところ、70社近くの企業より申込があったが、7月末に主催者CTAより完全デジタル化開催のプレスリリースが発表され、会期1か月前の12月にようやく53社の出展が確定するという状況だった。
申込企業の審査・最終的な確定通知及び主催者が用意するデジタルプラットフォームの詳細発表が後ろ倒しになる中、完全デジタルという状況の中でどのように出展企業の海外メディアカバレッジや商談に繋げていくことができるのか、JETROのCESチームと外部アドバイザー3名は頭を悩ませた。