ビジネス

2021.04.01 08:30

オンライン開催の「CES」で世界から注目された日本のスタートアップ

初のオンライン開催となった「CES」で日本企業の成果の背景にコンテンツ重視の施策


コンテンツ重視の支援に特化、国内外における広報効果は大


そこで、最初に動き出したのは、出展企業のプロダクトPR動画の制作支援だ。デジタル上で人に関心を集めるには、各社の展示プロダクトの魅力を伝えることのできるコンテンツが重要であると考え、出展企業ほぼ全社分の動画制作に着手。JAPAN全体としての一体感を出すために、主催者CTAのプラットフォームの発表に先駆け、制作した各社の動画やプロダクト概要を掲載できる独自のウェブサイトの構築も同時並行で進めた。
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さらに、海外メディアの関心を惹き、記事掲載に繋げていくために、PR専門家による英語でのプレスリリース、メール文案作成支援、HPの見せ方にかかる指導を行った。英語での効果的な情報発信により、国内外の主要メディアへの掲載に繋がったことから、商談が進めやすかったという声もある。

JETROのランディングページ
出展企業各社のプロダクト動画や概要が掲載されたジェトロ独自のランディングページ

商談では苦戦の声多数、会期後のフォローアップが鍵


商談の部分では、オンライン化によって苦戦している出展企業が多く「偶発的な出会いの創出が困難」、「商談に至るまでの導線がわかりづらかった」、「コンタクトをしても返事をもらえない」、「言葉だけのコミュニケーションは難易度が高い。プロダクトをその場で見せながら、身振り手振りを交えて説明できるリアル展示会の方が効果的」という声も寄せられた。
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そこで、閉会1ヶ月後の2/15まで主催者のプラットフォーム上での展示が可能なことと、ジェトロ独自で制作したウェブサイトを活用し、ジェトロは出展企業へのフォローアップとして、希望のあった企業に対し、グローバル・アクセラレーション・ハブを活用した海外企業との商談アレンジを実施した。

同サービスは、スタートアップの海外展開を促進する支援サービスで、先進的なイノベーション・エコシステムを有する世界27拠点にハブを設置。JETROの海外事務所と現地のスタートアップ支援機関やVCが連携し、メンタリング、商談アレンジ、コワーキングスペース貸与等を、年間を通じて提供する。このサービスを活用して、出展企業はCES会期後も、海外エコシステムにかかる情報収集や販路開拓に積極的に取り組むことができた。 

世界に点在するハブ
グローバル・アクセラレーション・ハブ・サービス

一方、デジタル展示会の良い点も挙げられている。会期に関係なく、継続的に企業やメディアとコミュニケーションが取れる点や、出展企業側であっても翻訳ツールを活用しながらカンファレンス視聴が可能なこと、他の出展企業の情報も時間をかけて見ることができる点や、物理的な移動に伴う金銭的コストや体力的なエネルギー消費が避けられる点は、オンラインならではのメリットだ。
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文=森若幸次郎 / John Kojiro Moriwaka

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