ビジネス

2021.04.01 08:30

オンライン開催の「CES」で世界から注目された日本のスタートアップ

初のオンライン開催となった「CES」で日本企業の成果の背景にコンテンツ重視の施策


4:アルケリス 【ロボティクス】


アキレスの画像
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アルケリスは、「世界から立ち仕事のつらさをなくす」をミッションに、立ち仕事による足腰の負担を軽減するアシストスーツ「アルケリス」の企画・開発・販売を行う。

長時間の立ち仕事を行う工場労働者、外科医向けに展開をしており、「身につけたまま移動ができる」「体型関係なく装着可能」「電源を必要としない」点が高く評価されている。今後は工場、外科以外の立ち仕事にも事業展開を行う予定。

英語のプレスリリースを300名程の海外メディアに送ったことで、ロイター通信からオンライン取材を受け、同社ツイッター上で記事として紹介された。その結果、同記事に掲載された動画の再生回数は累計20万回を記録。米国だけではなく世界各国のメディアに掲載・転載され、外国企業からの問い合わせの大幅増に繋がった。
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5:アマテラス 【オーディオ・ビデオ】


アマテラスのイメージ画像

アマテラスは、自由視点映像及びマルチアングル映像を、視聴者がスワイプする事でWeb上やアプリ内で自由に視点をスイッチングしながら視聴できる配信システムSwipeVideoを提供する。国際特許として特許取得済の技術。

同技術は、Eコマース、エンタメ、スポーツ、技術教育分野において応用可能。日本国内では2020年にエンタメ業界での有料配信を多数実施し、購入者の声も上々、Twitterにも購入者からの高評価コメントが多々投稿されている。現在は技術教育用動画(トレーニング)の有料販売も開始し更に展開市場を拡大中。会期後もジェトロのグローバル・アクセラレーション・ハブ・サービスを積極的に活用し、世界各地のエコシステムにかかるブリーフィングや現地企業との商談を通じて、海外販路開拓を行っている。

史上初の完全デジタルでのCES開催という状況下において、成果をあげた上記企業の成功要因としては、アワード受賞等による「他社との差別化」及びプレスリリース等の「英語での積極的な情報発信」が挙げられる。

また、会期前からメディアや参加者の目を引くような新製品等にかかる重大発表をしたこと、魅力的なビデオコンテンツを作成して製品やブランドをアピールしたこと、待ちの姿勢ではなく、CES参加企業に対して自ら積極的に営業活動を行ったことも効果的であった。

CESに限らず、多種多様なオンラインイベントが開催されるようになったが、参加自体は容易でも、一定の成果を上げようと思うのであれば、自社の存在をアピールするための準備に力を注ぐ必要があるだろう。偶然を期待しすぎないことが、オンラインイベントを成功させる第一歩かもしれない。

連載:イノベーション・エコシステムの内側
過去記事はこちら>>

文=森若幸次郎 / John Kojiro Moriwaka

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