オプラ・ウィンフリーは2006年、自身の故郷であるミシシッピ州の町に「コスキオスコ/アッタル郡オプラ・ウィンフリー少年少女クラブ(Oprah Winfrey Boys & Girls Club of Kosciusko/Attal County)」を設立した。
米国で最も有名なビリオネアのひとりであるウィンフリーの名前を冠した同クラブは2020年4月、連邦政府の(つまり国民の税金で賄われる)給与保護プログラム(Paycheck Protection Program:以下PPP)に申請し、9万7694ドルの融資を受けた。
さらに、コスキオスコのオプラ・ウィンフリー少年少女クラブが所属するイーストミシシッピ少年少女クラブ(Boys & Girls Club of East Mississippi)のオプラ・ユニットは、連邦政府から19万3366ドルのPPP融資を受けた。
以上は、(筆者がCEOを務める)OpenTheBooks.comのチームが連邦政府記録の監査をおこなった結果だ。
最新のIRS(内国歳入庁)申告書類によれば、ウィンフリーが関わる2つの慈善団体は400万ドル近い純資産を保有している。ウィンフリーは両団体の設立以来、数百万ドルを惜しみなく寄付してきた。
2008年度以降の記録によれば、PPPに基づく融資を受けるまで、これらの団体は一度も連邦資金を受け取っていない(連邦政府のデータベースには現在、2008年より前の歳出記録の詳細は含まれていない)。
新型コロナウイルスのパンデミックのあいだ、ウィンフリーは積極的に慈善活動をおこなっており、2020年5月には義援金として1200万ドルの寄付を発表した。イーストミシシッピ少年少女クラブは、このうち11万5000ドルを受け取った。
少年少女クラブへの連邦政府のPPP融資はいずれも、団体が職員を解雇せず、給与削減をおこなわないことを条件に、返済義務が免除される(助成金扱いとなる)ものだった。
OpenTheBooks.comでは、両クラブのCEOを務めるリッキー・フッド(Ricky Hood)にコメントを求めた。フッドは電話取材に対し、クラブは「自律的に運営されており、ウィンフリーは運営の詳細には関与していない」と説明した。フッドはさらに、初回のPPP融資はすでに返済が免除されていると認めた。クラブは、2度目のPPP融資には申請していない。