「セダン冬の時代」に進化した、レクサスLSでしかありえない世界観

Lexus LS

手間かけて作られたソースがたっぷりかかった肉料理、かちっとした作りのスーツ、そしてセダン。共通点があるとしたら、本質的な魅力を秘めている点だ。トレンドの動向にかかわらず、本来のよさを守る。それがラグジュアリーなるものの本質ではないだろうか。

セダンの魅了とは、乗り心地、運動性能、室内空間、そしてスタイル。バランスよく仕上げてあるところだ。レクサスLSは、全長5.2mと大きいくせに重厚すぎず、比較的大きなエンジンを載せていても、あくまでも軽快だ。

「LS500」は3.5リッターV6ツインターボエンジン、「LS500h」は3.5リッターV6を使ったハイブリッド。ともに、剛性感の高いシャシーと、しなやかな足まわりとステアリングが、パワーを最大限引き出す。高速道路だろうと山岳路だろうと、存分に楽しめる。

2020年11月に行われた最新のアップデートで、徹底的に手が入れられ、走り出しの滑らかさ、静粛性などを徹底的に追求したという。さらにサスペンションシステムのダンパーが新しくなり、乗り心地と操縦性がともに向上したことも謳われる。

安全装備や運転支援システムも充実。全体として、レクサスLSでしかありえない世界観が実現しているのだ。

「セダン冬の時代」とささやかれる一方で、伝統を新しい形へと変える技術がフルに発揮されている。

肉料理のソースでいえば、フランスの料理界において優れた業績を残している料理人のアラン・デュカスは、「古典料理は大事。ただし、時代に合わせて進化させなくては」と語っている。

ラグジュアリーセダンはどうあるべきか。そして、それをレクサスというブランドとしてはどのように表現するべきなのか。優秀な技術者たちがそれをひたすら考えぬいて、進化させたのがLSだ。いま味わうべき、いや、試すべき仕上がりを見せている。

text by Fumio Ogawa

この記事は 「Forbes JAPAN No.078 2021年2月号(2020/12/25発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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