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フランス国民が持つチーズ愛は、新型コロナウイルスの流行によるロックダウン(都市封鎖)中にさらに強まった。

昨年6月には、ドイツとの国境付近にあるフランス東部の酪農家が、貯蔵室にチーズを放置してしまったことで偶然にも新たな種類のチーズを発明。また昨年11月には、冬が近づく中で人々がアルプスのレストランの雰囲気を自宅で味わおうとしたため、フランスのスーパーでラクレットやフォンデュのチーズが飛ぶように売れた。

そしてこの度発表された2020年の年間データからは、フランスでチーズの売り上げが爆発的に増えたことが示された。

仏テレビBFMによると、飲食店が数カ月にわたり閉鎖されたことで、レストランやバーでのチーズ消費は当然ながら減少。しかし仏政府機関フランスアグリメール(FranceAgriMer)と英市場調査会社カンター・グループが最近発表したデータによると、あらゆるタイプのチーズの売り上げがロックダウン中に増加していた。

牛乳のチーズは売り上げが1年で8.5%増加した。ラクレットチーズの売り上げは12.2%上昇。フランス全土で人気のコンテチーズの売り上げは8.2%上昇した。エメンタールチーズの売り上げは7.8%伸び、ヤギのチーズも7.2%の売り上げ増を達成した。

しかし、上昇幅が最も高かったのはイタリアンチーズのモッツァレラで、売り上げは21.2%上昇した。

欧州連合(EU)は、世界で最もチーズの消費量が多い地域で、1人当たりのチーズ消費量はEUが18.42キログラム、2位の米国が17.46キログラムだ。3位にはカナダが入っている。シャルル・ドゴール元仏大統領はかつて、フランスには246の種類のチーズがあると主張したが、独市場調査会社スタティスタによると、欧州で最もチーズの生産量が多い国はフランスではなくドイツとオランダだ。

英紙ガーディアンによると、食品専門誌レ・マルシェ(Les Marchés)は、コロナ流行中にチーズの売り上げが伸びた理由はいくつか考えられると指摘している。まずは、ロックダウン中に自炊が増える中で、食材としてのチーズの人気が高まったこと。そして、チーズ(特にとろけるタイプのもの)は満足度の高い「コンフォート・フード」の代表格であり、ラクレットやおしゃれな食事で食卓をにぎやかにできること。さらに、チーズは特に夕食での献立の一部として手軽に用意できることもある。

2017年のデータによると、フランスのチーズの消費量はデンマークやアイスランド、フィンランドには及ばないが、ガーディアン紙が伝えたように、フランス人の多くはチーズなしの食事は「想像できない」と考えている。

編集=遠藤宗生

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