ビジネス

2021.03.24

古さを逆手に売上2倍! 発売から55年「ココナッツサブレ」限定品の企画の裏側

2019年から「ココナッツサブレ」ブランドを担当する湯沢雅貴


■デザインのポイントは「既視感がないこと」


商品の入れ替わりが激しい菓子市場。いくらおいしくてもお客様に店頭で見つけてもらい、手に取ってもらえないと意味がない。

デザイナーの鈴木美加(日清食品ホールディングス(株)デザインルーム)は、「何味であるのか」「シズル感」「ココナッツサブレである事」といった、通常のパッケージ制作であれば重要になる点は二の次と割り切り、ブランドチームとの打ち合わせで頻繁に出てきた「既視感がないこと」を意識してデザインを考えた。

デザインに落とし込む際に、若者が “ニューレトロ” に求めている「人の温もりを感じたい」という情緒的な価値をビジュアル化することに苦労した。実際に女子大生にヒアリングも行い、どんなパッケージが若者ウケするのかも調査した。


女子大生にヒアリングを行った数々のデザイン

■ついにデザインが決定し、商品完成!


調査や話し合いの中で、「人と人とのふれあい・コミュニケーション」をコンセプトに制作をしたデザインに決定。銭湯を楽しむ人間模様をみっちりと密集した絵柄で表現し、若者が好む鮮やかな色使いで現代風に落とし込んだ。

社内の会議では、通常品のパッケージとイメージがかけ離れていて、店頭で「ココナッツサブレ」と気づいてもらえないのでは?との意見も上がったが、若者との接点をもつためにはこのデザインが企画意図に最も相応しい、ということを説明した。20代女性社員から好評であったことも後押しとなった。

発売後、SNS等での評判は上々で、「パッケージがかわいい!」と “パケ買い” が発生した。今まで「ココナッツサブレ」を食べる機会が少なかった若い世代の人たちにも食べてもらうことができ、「おいしい!」という声も多く集まった。


今後の “ココナッツサブレ”


今回の企画、そして基幹商品のプロモーション施策への取り組みを通じて「ココナッツサブレ」の可能性が広がった。

今後も55年間培ってきたブランドの良さは守りながら100年続くブランドを目指し、ニューレトロ第2弾もワクワクできるような企画を用意しているという。

※担当者の所属は、2021年3月10日時点のもの

PR TIMES STORYより

ForbesBrandVoice

人気記事