「ギフトと言えばTANP」を目指す
──現在、TANPは認知度もかなり高まってきていますが、マーケティング戦略を立てる上でのポイントをお聞かせください。
最終的に目指している姿はギフト界における「第一想起」をとること。つまり「ギフトと言えばTANP」と言われることです。
その手段としてTVCMやインフルエンサータイアップといったプロモーションや、ギフトラッピング、即日配送といったカスタマーエクスペリエンス・ブランドイメージの向上など、すべての施策が複合的に組み合わせています。
我々が意識している軸は3つ。「どのタイミングで」「誰によって」「どう訴求するか」。
現在、特に注力しているのは「認知」の部分。ギフト購入の機会がある方に対して、TANPという選択肢を知っていただくことです。なので、バレンタインやクリスマスといったシーズンイベントに合わせて、適切な人をアサインし、適切な訴求方法でアプローチできるよう工夫しています。
これは我々も日々仮説をブラッシュアップしながら、まさに試行錯誤している部分です。
──カスタマーエクスペリエンスの向上が鍵かと思いますが、その点で御社が工夫されているポイントはありますか?
お客様からのレビューは、全社のSlackに常に流れていくようになっています。やはりお客様の声が第一なので、その把握は徹底していますし、即座にサービス開発にフィードバックする仕組みができています。
また、ラッピングなどのオペレーションも、サービス規模に応じて変化させ続けています。そのフェーズごとに、最適解を自分たちで考え、改善を繰り返しています。
その上で、お客様が「次に」望むことを提案することも意識しています。
人は自分が想像できる範囲でしか物事を考えることができません。なのでお客様の声ばかりを見ていても、「想像の外」に踏み出すことはできないのです。
資金調達とマーケティングに通ずる部分として、まずはお客様の声に耳を傾ける。その上で、「想像の外」を提案する。これが物事の価値を人に「伝える」上で大切にしているポイントです。
「組織」は「ビジョン」「戦略」に従う
──経験豊富なメンバーのマネジメントなど、学生起業家ならでは苦労もあるのではないでしょうか?
私たちはバリューで「Be Heartful」という言葉を掲げている通り、「多様性を尊重する」価値観が組織に根付いています。
たしかに、組織には年齢や役職の上下が存在します。しかし、根底に「ビジョン」を共有できていれば、多様な人材が一つの課題解決に向けて力を集中することができる。年齢や役職は大した話ではなくなります。
なのでビジョンを共有すること。多様性を尊重する文化を浸透させること。これが若い組織でも経験豊富なメンバーが活躍できる組織の土壌になると考えています。
──採用についてはいかがでしょう?
私が好きなチャンドラーの言葉で「組織は戦略に従う」というものがあります。採用においても、例えば10人、100人、1000人の組織では適した方法が異なる。
なので、正解を探すのではなく、戦略実行に向けて一番正しい組織のあり方を考え、模索し続ける。答えも終わりもない戦いだと思います。