CEOが語る「TANP」急成長の要因とは
──「ギフトEC」は決して新しいテーマではありません。その中で「TANP」が成長するに至った理由をどのように分析されていますか?
まずは「参入タイミング」です。市場の普及期・拡大期・成熟期では、取るべき戦略や必要とされるサービスは全く異なります。
我々が軸足を置くEC市場も、普及期にはAmazonや楽天といった総合モールが成長しました。拡大期では、ZOZO TOWNのようなバーティカルなユーザーニーズを切り取った企業が成長しています。
例えば、自分用の商品をECで買うのにも慣れてない時代には、他人用のギフトをわざわざECで買う人はいなかったでしょう。
今でもギフトに対して「一度自分の目で見ないと不安」という気持ちを持つ人は多いと思います。しかし、その不安を解決することで「ギフトもネットで買っていい」という価値観を作り出せているのは、参入タイミングがよかったからだと思っています。
──ほかの成功要因はどのようなものがあるでしょう?
我々の差別化ポイントは、ラッピングや特別な日に合わせた発送といった「ギフトに特化した豊富なオプション・ロジスティクスサービス」です。
これも、決して最初からあったわけではなく、いくつかの事業仮説を片っ端から実際に試して検証した結果、今のサービスが形作られていきました。
たとえば相手の住所を知らなくてもギフトを送れるソーシャルギフトのような機能は、想定ほどユーザーの反応は薄かった。一方で、「ラッピング」や「即日発送」は地味に見えますが、ユーザーの反応は最も良かった。
これを成功要因としてまとめると、まずは仮説を持つこと。そして、スピーディに行動し、実際に顧客の反応を確認すること。
一般的な答えではありますが、この地道な繰り返しが、現在のギフトEC「TANP」の成長に繋がっていると思います。
次回に続く→「投資家の視点」で成長。取扱高一兆円のECを目指す組織づくり|Gracia 斎藤拓泰 #2
斎藤拓泰◎1996年生まれ 東京大学経済学部経営学科2019年卒。在学中から家庭教師の斡旋事業を立ち上げた後、2016年からCandleでインターンとして1年間マーケティングなどを担当。2017年6月にGraciaを創業し代表取締役CEOに就任。
連載:起業家たちの「頭の中」
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