──斎藤さんが考える、起業家にとって重要な素養を3つ挙げるとするとなんでしょうか?
3つ挙げるとすると、「好奇心」、「社会貢献思考」、「ストイックさ」です。
「好奇心」は探究心と言い換えることもできます。どういう機能やサービスを提供したらもっとお客様が喜んでくれるか。これを探求し続ける「好奇心」が事業には不可欠です。
また、起業をすると、当然ながら大変なことや理不尽なことがたくさん起こります。そんな苦しい局面でも「社会をよくしたい」というモチベーションを保ち続けられるか。私欲だけで起業してしまうと、心が折れてしまうでしょう。
そして、起業とは終わりのない戦いです。チャレンジし続ける「ストイックさ」が大事となります。私自身もまさにこれらの素養を学んでいる最中ではありますが、長いスパンで、ストイックに事業と向き合い続けていきたいと思っています。
──東大在学中に起業されました。いつ頃から起業を志されていたのでしょうか?
実は大学に進学した頃は「外交官」になるのが将来の夢でした。高校時代に講演で話を聞いた外交官の方が「社会に貢献する」と熱く語られていたのを見て、単純にかっこいいなと思ったからです。
とはいえ、福井の田舎出身の私は「社会」が何なのかもよく知りませんでした。東京に来て、いろんな人やものに触れ、起業という選択肢にも出会ったのです。
私はエクセルすらロクに使いこなせないような学生でしたが、最初は「好奇心」で友人と二人で家庭教師の斡旋事業をはじめました。その後、スタートアップのインターンで仕事について何から何まで教えていただきました。
「外交官」から「起業家」へと夢は変わりましたが、「社会に対して大きなインパクトを残したい」という思いは一貫しています。