ネットフリックスが日本国内でスタジオ施設を借り、長期的な制作拠点を設けるのは今回が初めて。目指すのは、同スタジオを拠点とした“日本発の実写オリジナル作品”の拡充だ。
最大級×最新鋭のスタジオで日本発のコンテンツを
今回ネットフリックスが借りるのは、施設内最大級の高さ11メートル、広さ957平方メートルを誇る「No.7ステージ」と、最新鋭のステージを完備した「No.10ステージ」のスタジオ2棟。また、キャストルーム・カフェテリアを併設した施設や、スタッフルーム棟なども合わせて賃借するという。
施設内最大級のNo.7ステージ(左)と最新鋭のステージを完備するNo.10ステージ(右)でオリジナル作品の撮影が行われる
2015年に日本進出を果たして以来、ネットフリックスは日本発のオリジナルコンテンツ製作に力を注いできた。先に頭角を現したアニメ部門では、人気アニメクリエーターや大手アニメ制作会社との提携を次々と実現。2月にはアニメーターの育成支援プログラムも発表した。
実写コンテンツも負けていない。代表作「キングダム」などで知られる佐藤信介監督がメガホンを取った「今際の国のアリス」は、2020年12月10日の配信開始から1カ月あまりで全世界1800万世帯にて視聴される大ヒットを記録。シーズン2の制作もすでに決定している。
さらに、2021年以降、長編映画『彼女』(4月15日配信予定)をはじめ、『全裸監督』シーズン2や『ボクたちはみんな大人になれなかった』、『浅草キッド』などの実写作品の配信が次々と控えている。2022年末までに15作品以上の日本発の実写オリジナル作品が配信予定だという。
そんな実写コンテンツの勢いをさらに後押しする今回の取り組み。国内にいつでもオリジナル作品を撮影できる拠点を常に確保することで、作品づくりのさらなる体制強化が期待できる。
ネットフリックス プロダクション・マネジメント部門の小沢禎二は「今回の取り組みは、数年前、Netflixがグローバルスタジオとしての機能を強化しはじめた頃には想像し難かった夢の実現であり、国内での作品づくりを大きく前進させるものだと感じています」とコメント。日本進出から6年目にして迎えた新たな挑戦に、期待で胸を膨らませる。
さらに、「東宝スタジオ」を所有するTOHOスタジオ 代表取締役社長の島田充は「今回このような連携を通して、ネットフリックスに東宝スタジオの仲間に加わって頂けることを心より歓迎します」と話す。
世界を圧巻する作品を、日本から──「東宝スタジオ」で製作された実写作品が各国の人気作品と肩を並べる日もそう遠くはないだろう。