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FC今治オーナー 岡田武史 (c) FC IMABARI

サッカー日本代表監督を2度務めるなど、日本のサッカー界を牽引してきた岡田武史。現在は愛媛県今治市を拠点にJ3を戦うサッカークラブ「FC今治」のオーナーを務め、経営者として新たな挑戦を続けている。2021年2月、FC今治の新スタジアム「里山スタジアム」を建設する構想を発表し、スポーツxまちづくりのビジネスモデルとして期待されている。

里山スタジアムでは、サッカースタジアムを核に、地域とヒトをつなぐ次世代文化・交流拠点を目指す。J1、J2に昇格する際に必要な収容人数分の座席を増設可能な形態としながら、試合が開催される日のみならず、365日人で賑わう、地域に開かれた交流拠点とすることを構想している。

建設場所は、イオンモール今治新都市が近接し、中心市街地からは車で15分ほどに位置する。スタジアム内には、運動場やアトリエ、芝生広場、宿泊施設、店舗などを設け、地域住民が日常的に利用できる複合施設とする。

竣工予定は2023年で、現在は資金調達の最中。総額約40億円の建設費用のうち、20億円を地域金融機関の借入金から、残り20億円を地元企業や投資家からの出資、企業版ふるさと納税による寄付金などで調達する予定だ。

2014年から野球がさかんな今治の地で、スポーツや教育事業を手がけてきた岡田。どのように周りの共感を得ながら、事業を進めてきたのか。新スタジアム建設にかける思いと今後の展望について聞いた。

FC今治 里山スタジアム
里山スタジアム完成イメージ図=今治.夢スポーツ提供

企業理念に立ち返り、信頼を積み重ねる


世界で勝つためのサッカーの型「岡田メソッド」を作ることを目的に、2014年11月から今治で二拠点生活を始め、同クラブを運営する「株式会社今治.夢スポーツ」の代表取締役(現会長)に就任した岡田は、当初から地域貢献に関わる事業を行うことを考えていた訳ではない。

その考えが変化するきっかけとなったのは、空き店舗が目立つ商店街やひと気のないまちの状況を目の当たりにしたこと。「このままではいずれ自分たちの立つ場所がなくなってしまう」と危機感を抱いた岡田は、地域住民との繋がりを作るためクラブに所属する若いメンバーが困りごとに対応する「孫の手活動」などを始めた。

しかし、はじめは「どうせすぐに今治からいなくなる」、「このまちではそんなことはできない」と批判的な言葉をかけられ、誰にも相手にしてもらえなかった。後から地元企業の人に「岡田さんが来た時はホラ吹きだと思った」と言われたことも。

それでもチームがJFL、J3へ昇格し、収容人数5000人の「ありがとうサービス.夢スタジアム (R) 」などが建設され、岡田が目標として語っていたことが実現され始めると、徐々に地域住民の反応が変化してきた。

岡田は「手応えを感じたのは、昨年から。クラブの活動を通して、自分が今治に来たばかりの頃に抱かれていた警戒心がなくなり、今治に住む人達が『このまちが変われるかもしれない』という前向きな意識を持ち始めているように感じています」と語る。

今治.夢スポーツの矢野将文社長も、2月末に開かれた地域経済活性化カンファレンス「SHARE by WHERE」で「今治はしまなみ街道やタオルの高級産地化で成功しており、行政の職員が最初から応援していただいた印象だが、今治自体は野球のまち。地元企業の皆さんからは少しずつ認めていただいた」と語っていた。

文=宮本拓海 構成=督あかり

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