ハリスは「米国史を通じ、幾世代にもわたり今夜のこの瞬間につながる道を切り開いた黒人、アジア系、白人、ラテン系、先住民の女性たちのことを思っている。すべての人の平等や自由、正義のために闘い、多くのものを犠牲にした女性たちだ」と述べた。
本記事では、「米国女性史月間」である3月に合わせ、市民権を巡る闘いの先駆者となった4人の米国人女性を紹介する。
・マリアン・ライト・エデルマン(81)
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非営利団体チルドレンズ・ディフェンス・ファンド(Children’s Defense Fund)の創設者で、1960年代半ばに法律家としてのキャリアを始めて以来、恵まれない子どもたちのために闘ってきた。
生涯にわたる活動と80代という年齢を考えれば、昨年夏に巻き起こった社会的正義を求める抗議デモへの参加を見送ってもおとがめは受けなかっただろうが、エデルマンが自宅にとどまることはなかった。
彼女は米紙ニューヨーク・タイムズに対し「私は毎晩、抗議活動に出かけた。私には座り込み運動のように感じられた。自分が生涯かけて経験してきた全てのようだった。17、18、19歳の自分を再び見ているようだ」と述べた。
エデルマンの功績は多い。彼女はミシシッピ州弁護士協会入りした初の黒人女性で、同州ジャクソンの全米黒人地位向上協会(NAACP)法的弁護教育基金の事務所を率いた。「貧者の行進(Poor People’s Campaign)」では顧問としてキング牧師と協働。後にはヒラリー・クリントンのメンターともなった。
・ドロレス・ウエルタ(90)
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ウエルタは1962年、セサル・チャベスとともに全米農業労働者協会(現農場労働者連合)を設立。以後60年で、米国で最も著名で尊敬される労働運動活動家の一人となった。
ウエルタとチャベスは1965年、カリフォルニア産ブドウの全国規模でのボイコット運動「デラノ・グレープ・ストライキ」を率い、同州ブドウ生産業界は最終的に農場労働者連合との協約締結に至った。ウエルタは、農業労働関係法を含め15の新法成立のため闘い、平和的な抗議活動で20回にわたり逮捕されている。
ウエルタは2017年のドキュメンタリーとNPRのインタビューで、以前は自身の功績をアピールしたり、高い役職に立候補したりすることへのためらいがあったことを告白。「私たちは、自分がそのポジションや役職には力不足だと考えてしまうことがある。ただ、私は(女性たちに対して)こう伝えたい。男性と同じように、知ったかぶりをすればいいだけだ」と語っている。