ビジネス

2021.03.20

スペースX社員がダークウェブで証券詐欺行為、米SECが摘発

Getty Images

米司法省は3月18日、スペースXのエンジニアが、ダークウェブ上でインサイダー取引の情報を交換した罪を認めたと発表した。これは、米証券取引委員会(SEC)がダークウェブ上の証券詐欺行為を摘発した、初めての事例だ。

司法省によると、カリフォルニア州ハーモサビーチ在住のスペースXのエンジニア、ジェームズ・ローランド・ジョーンズは、ダークウェブ上で証券詐欺を行った罪を認めたという。彼はMillionaireMikeというユーザー名で、インサイダー取引の情報を売買しようとしていた。

ジェームズは2017年4月、ダークウェブのインサイダー取引フォーラムでFBIの覆面捜査官からインサイダー情報を購入し、その捜査官に彼が別の企業の未公開情報を持っていると持ちかけたという。

検察は、ジョーンズがダークウェブから氏名と社会保障番号を購入し、偽のアカウントを開設したと述べている。一方、SECはジョーンズを別の事件でも告発し、彼がインサイダー情報を持っていると偽って他人に情報を販売し、ビットコインで対価を得た罪でも告発した。

ジョーンズは最高5年の懲役刑に直面し、SECとの調停に合意した。

「今回の事件は、SECが証券取引法の違反者がダークウェブ上で活動している場合でも、それを追求できることを示している。我々は、スタッフとテクノロジーの力で、匿名性のマントに隠れる者たちを見つけ出す」と、SECのフォートワース地域事務所ディレクターのDavid Peavlerは述べた。

インサイダー取引の罪で、史上最長の懲役刑が下されたのは、2012年にニューヨークの弁護士マシュー・クルーガーに下された12年の判決だった。クルーガーは、M&Aを専門とする大手法律事務所に勤務する中で、インサイダー情報を得ていた罪を認めていた。

編集=上田裕資

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