経済・社会

2021.03.19 11:30

新たな変異株の出現、感染拡大で可能性はさらに高まる


変異株の脅威


PCR検査をすり抜ける変異株に関する最大の懸念事項は、その変異株によって感染がさらに大幅に拡大する危険性があることだ。それは同時に、より強力な変異株が生み出されるということでもある。

実際のところ、「B.1.1.7」や「南アフリカ型(B.1.351)」「ブラジル型(P.1)」といった変異株が出現した背景にあるのは、世界各地で膨大な数の人たちが新型コロナウイルスに感染したことだ。

感染の拡大を制御できないことは、ますます多くの変異株を生み出すことにつながり、従来のPCR検査では検出できない変異株がより多く出現する可能性を高める。ワクチンが効かない変異株が現れる可能性もまた、高まることになる。

各国で緊急使用が認められているワクチンは、英国型への有効性はそれほど変わらないとの見方がある一方、南ア型に対する有効性は低下することが懸念されている。また、ブラジル型はすでに感染した人の抗体に影響を受けない、つまり再感染の可能性が高いと報告されている。

人の免疫反応(自然感染とワクチン接種、いずれによるものであれ)を回避する変異株が出現すれば、それは人の体内に侵入した後、より短時間のうちに急速に複製する。ウイルスの量が多くなれば、それは一般に、より重症化しやすく、死亡リスクも高まるということだ。新たな変異株の特定が極めて重要な理由は、この点にある。

編集=木内涼子

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