ビジネス

2021.03.22

オフィス削減を目指す欧州銀行と、オフィス復帰を求める米金融界

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ソロモンと同意見の人はほかにもいる。米銀JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモンCEOは昨年9月中旬、社員らに対し、月末までにオフィス勤務を再開するよう指示。トレーダーや営業担当者、銀行員などの主要役職で遠隔勤務を試した結果として、社員のオフィス復帰は必要不可欠だとの結論に達したと表明した。

銀行などの金融機関は、工場を持たず、手に取れる商品も製造しておらず、主な商品は情報や知識だ。トレーダーや銀行家、ブローカー、コンプライアンス担当者、人事担当者らは重要な情報を共有し、毎日議論を行って、互いに協力し合う関係にある。

また、若手社員にはメンターや指導、方向性を示す人が必要だ。ソロモンは特に新規人材採用について懸念しており、「この夏、若手を再び遠隔でゴールドマン・サックスに入社させたくないということに力点を置いている」と述べた。

しかし私たちが新型コロナウイルスの流行から学んだように、状況は急激に変化するものであり、人や企業はそれに合わせなければならない。今後、従業員が在宅勤務に疲れてオフィスに戻りたいと思うようになり、銀行は新たなスペースを借りる必要が生じるかもしれない。あるいは、オフィスに通う従業員が新たな変異株に感染し、従業員が在宅勤務に戻される可能性もあるだろう。

編集=遠藤宗生

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