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ドナルド・トランプ前大統領(Getty Images)

米ホワイトハウスのジェン・サキ報道官は3月17日、ドナルド・トランプ前大統領が、新型コロナウイルスを、「チャイニーズ・ウイルス」や「カンフルー(中国武術のカンフーとインフルエンザを組み合わせた造語)」などと繰り返し表現したことが、アジア系アメリカ人に対するヘイトクライムの増加につながったと述べた。

記者から、バイデン大統領がアジア系アメリカ人に対するヘイトクライムが増加していると考えている理由を聞かれたサキ報道官は、「前政権の有害なレトリックがアジア系アメリカ人に対する脅威の増加の一因となっていることに疑いはない」と答えた。

サキ報道官は、「ウーハン・フルー(武漢風邪)」などのウイルスの呼び名が、アジア系アメリカ人に対する「不正確で不当な認識」につながり、脅威の増加につながったと述べた。

WHO(世界保健機関)はパンデミックの初期に、ウイルスをその発生源とされる地域名で呼ぶことを控えるよう勧告し、それが「特定のコミュニティにスティグマを与え、意図しない悪影響を及ぼす可能性がある」と警告していた。

ただし、サキ報道官によると大統領はアトランタの銃乱射事件に関して、捜査が完了する前に、犯人の動機について言及することを控えているという。

「バイデン大統領は今後もこの問題を取り上げ、話し合う方法を探っていく」とサキ報道官は述べ、大統領が先日のテレビ演説や大統領令の中でも、アジア系アメリカ人へのヘイトクライムの増加に対する懸念について言及したことにふれた。

3月16日にジョージア州アトランタの3つのマッサージ・パーラーで起きた銃撃事件では、8人が死亡したが、死者のうち6人はアジア系の女性だった。警察によると、21歳のロバート・アーロン・ロングは犯行を認めているが、人種差別ではなく、性依存症が犯行の動機だと主張していという。しかし、この主張には懐疑的な見方が広がっている。

ロングは過去にマッサージパーラーを訪れ、それらを「排除すべき誘惑」とみなしていたとされる。

新型コロナウイルスのパンデミックの発生以降、アジア系アメリカ人に対するヘイトクライムの報告が急増している。非営利団体「Stop AAPI Hate」によると、2020年に報告された反アジア系犯罪は前年比で約150%増加し、3795件に達したという。

編集=上田裕資

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