プログラムは世界規模だが、地域独自の視点を取り入れるために、WDCDは6都市とのパートナーシップを構築。アムステルダム、デリー、メキシコ・シティ、サンパウロ、リオ・デジャネイロに並び、東京もそのひとつに選ばれ、日本発の視点での課題解決策に期待がされている。
地球の年間廃棄物量は21.2億トン
WDCDが提示するデータは、課題の深刻さを改めて示唆している。地球上の年間廃棄物量は21.2億トン。購入したものの99%は半年以内に捨てられる。地球環境の維持に必要な資源の75%を私たちはすでに消費している。世界のプラスチックの91%はリサイクルされていない。食料の30%は消費されずに「食品ロス」となる。
日本においては特に、食品ロス、衣類廃棄、プラスチックの大量消費が指摘されている。日本の食料自給率は約66%だが、東京だけでみるとわずか3%。一方で、東京の事業系食品廃棄物は98万トン、家庭からの食品廃棄は99万トン。多くのコストをかけて輸入・輸送されてきた食品が廃棄されているということになる。また、日本の衣料廃棄量は年間94万トン、人口一人当たりのプラスチック容器包装廃棄量は35kgである。
東京23区内における固形廃棄物の量は、ピーク時1989年の490万トンと比較すると、現在では約300万トンまで減少してはいるが、それでも毎日一人当たり約1kgの廃棄物を生んでいる計算である。(WDCDシティ・パースペクティブ資料参照)。
WDCD Tokyoチームによるリサーチ、東京湾に浮かぶプラスチックゴミを回収する清掃船の清海丸 (c) SHIBAURA HOUSE