経済・社会

2021.03.24 08:00

ゴミ問題をデザインで解決 アムス発の取り組みが日本に期待すること

ノー・ウェイスト・チャレンジ (c) What Design Can Do

ノー・ウェイスト・チャレンジ (c) What Design Can Do

アムステルダムを拠点に、デザインを通じたさまざまな課題解決に取り組む団体「What Design Can Do(WDCD)」が、イケア財団とともに、地球規模のゴミ問題に焦点を当てた「ノー・ウェイスト・チャレンジ(No Waste Challenge)」を始動。廃棄物を減らし、消費と生産のあり方を見直すための新しいアイデアとデザイン・ソリューションを募集中だ。

プログラムは世界規模だが、地域独自の視点を取り入れるために、WDCDは6都市とのパートナーシップを構築。アムステルダム、デリー、メキシコ・シティ、サンパウロ、リオ・デジャネイロに並び、東京もそのひとつに選ばれ、日本発の視点での課題解決策に期待がされている。

地球の年間廃棄物量は21.2億トン


WDCDが提示するデータは、課題の深刻さを改めて示唆している。地球上の年間廃棄物量は21.2億トン。購入したものの99%は半年以内に捨てられる。地球環境の維持に必要な資源の75%を私たちはすでに消費している。世界のプラスチックの91%はリサイクルされていない。食料の30%は消費されずに「食品ロス」となる。

日本においては特に、食品ロス、衣類廃棄、プラスチックの大量消費が指摘されている。日本の食料自給率は約66%だが、東京だけでみるとわずか3%。一方で、東京の事業系食品廃棄物は98万トン、家庭からの食品廃棄は99万トン。多くのコストをかけて輸入・輸送されてきた食品が廃棄されているということになる。また、日本の衣料廃棄量は年間94万トン、人口一人当たりのプラスチック容器包装廃棄量は35kgである。

東京23区内における固形廃棄物の量は、ピーク時1989年の490万トンと比較すると、現在では約300万トンまで減少してはいるが、それでも毎日一人当たり約1kgの廃棄物を生んでいる計算である。(WDCDシティ・パースペクティブ資料参照)。


WDCD Tokyoチームによるリサーチ、東京湾に浮かぶプラスチックゴミを回収する清掃船の清海丸 (c) SHIBAURA HOUSE
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文=MAKI NAKATA

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