当時はテック界でも冗談みたいに思われていました。そんな評価も、2018年にトップティアVCのUnion Square VenturesとAndreessen Horowitzが同社のシリーズAをリードすると同時にひっくり返り、それ以来、CryptoKittiesの運営会社であるDapper Labsはいくつもの新しいプロダクトをNFT市場に送り出しています。
中でも、NBAの動画ハイライトをユーザーが所有・収集できるというプロダクトが特に成功しているようです。わずか6カ月前にローンチされたばかりですが、すでに3億5600万ドル(約388億円)もの流通額を叩き出しています。ただの熱狂的なブームとして片付けられない何かがNFTにあるのは明白です。
一方で、NFTにはまだいくつかの明らかな課題が残っています。
たとえば、デジタル資産を売り出している人物が本当にそれを作成した本人であるかどうかを証明するのは、オンライン市場の環境では難しい点もあります。単なる加熱しつつあるバブルに過ぎないと批評する人も多く、確かにその可能性は否定できません。
しかし、これまでに多くのイノベーションがハイプ・サイクルを経て最盛期に達しているというのも事実です。長期的な視点では、デジタル・トランスフォメーションが進むのはもはや必然ですので、それに伴いオンラインの世界における所有のあり方が進化し、所有権を証明する新しい方法が生まれるのは自然な流れだと言えるでしょう。
連載:VCのインサイト
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