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I study technology disruption in individuals, companies and societies.

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新型コロナウイルスの流行に伴い、採用活動の大部分、あるいは全てがリモートで実施されるようになった今、候補者の審査にアルゴリズムを利用する企業の数は以前にも増して拡大している。

一定の形式に沿った履歴書や、性格・能力診断テストなどの一次審査から、「One Way(一方通行)面接」などと呼ばれる自動応答型のビデオ面接まで、審査プロセスの多くが多様なタイプのアルゴリズムに委ねられるようになっており、こうしたアルゴリズムはさまざまな判定基準によって審査を代行してくれる。

これにより、採用担当者は候補者のふるい落としに関わる業務を減らし、各候補者に集中できるというのが、アルゴリズム利用の利点だ。また、個々の応募者に対するフィードバックは、審査担当部門が実施すると悪い印象を与えてしまうことが多いためほぼ不可能だったが、アルゴリズムであれば簡単に自動化できる。

こうしたタスクをアルゴリズムが代行すると、どうなるのだろうか? 

まず、これまで大量の応募者の処理に忙殺されがちだったプロセスが、管理しやすくなる。一部の企業では、自社のウェブサイトや転職情報サイトを通じて公に募集をかけようものならば、応募者が殺到してしまう。こうした候補者はこれまで、きちんとした指針や配慮がない方法で、人の手によってふるい落とされていた。

一次審査をアルゴリズムが行うようになると、これまで客観的とは言えない理由によって落とされていた応募者が、二次審査へ進める可能性がある。もちろんアルゴリズムによる審査には、透明性が必要となる。アマゾンのように、4年以上にわたり採用プロセスに使用していたアルゴリズムの中に女性応募者に不利に働くバイアスが見つかったことで、利用を廃止したケースもある。

また、アルゴリズムの利用により、運用側に負荷をかけることなく審査工程を増やせる可能性もある。一次面接を自動化することで、ふるい分けを効率的にできるのだ。

ただここでも、アルゴリズムは人種や訛りなどを基準に候補者について判断することがあってはならない。むしろ、アルゴリズムを使うことで、従来の採用活動の中に潜んでいたバイアスを表面化できる可能性もある。こうしたバイアスは、人事部内にもあるかもしれない。

編集=遠藤宗生

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