ビジネス

2021.03.18

クリスチャン ルブタンに出資、伊フィアット創業家の狙い

クリスチャン ルブタンの靴(Photo by Chesnot/Getty Images)


しかしながら全世界で見ると、高級品セクターは新型コロナウイルスのパンデミックによる打撃を受けており、2020年には多くの店舗が閉店に追い込まれた。その結果、こうした高級品の売上は、前年比22%減の2170億ユーロと、2014年と同等のレベルにまで落ち込んだと推測されている。その回復には最長で3年を要すると、コンサルティング会社のベイン・アンド・カンパニーとイタリアの高級品メーカーの業界団体アルタガンマ財団のリポートは指摘している。

一方、「高級フットウェア・ブランドは難しい」として、この買収に難色を示すのが、投資会社サンフォード・C・バーンスタインのアナリスト、ルカ・ソルカ(Luca Solca)だ。「こうしたブランドは、服装のカジュアル化という長期的なトレンドに大きな影響を受けている。フットウェアのカテゴリーで1番人気を誇るのは、今やスニーカーだ。また、フットウェアの平均単価は比較的低いため、他の製品カテゴリーに事業を拡大するのも難しい」と、ソルカはブルームバーグの取材に対して語った。

約290億ドルの純資産を持つエクソールは、スポーツカー・メーカーのフェラーリ、イタリアの強豪サッカークラブのユベントス、全世界で再保険事業を営むパートナー・リー(PartnerRe)などを傘下に持つ。

エクソールはほかにも、2021年1月から正式スタートした新しい自動車メーカー「ステランティス」(イタリアのFCA[Fiat Chrysler Automobiles N.V.]とフランスのグループPSA[Peugeot S.A.]とが対等合併した企業で、本拠はオランダ)や、金融サービス会社のCNHインダストリアル、英誌エコノミスト、イタリアのメディア総合企業GEDIグルポ・エディトリアレ(GEDI Gruppo Editoriale)などの株式を保有している。

翻訳=長谷睦/ガリレオ

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