「現在、数社を買収ターゲットに考えている。同業他社をロールアップし、世界規模で市場を統合したいと考えている」とSeegridのCEOであるJim Rockは述べた。
Seegridの大型ロボットは、数百キロもの商品を積んだパレットを動かすことができる。買収対象として、産業用ロボットに関連するハードウェア企業とソフトウェア企業を検討しており、アナリティクスの開発会社も含まれるというが、Rockは交渉が進行中であるかは明らかにしなかった。
ピッツバーグに本拠を置くSeegridは、高解像度の地図や3Dライダーを開発するBox Roboticsを昨年10月に傘下に収めているが、買収価額は明らかになっていない。
工場や倉庫における作業の効率とスピードを改善する産業用ロボットの市場は急拡大している。今年2月には、Locus Roboticsの評価額が10億ドルに達している。また、Berkshire GreyはSPAC上場の計画を明らかにしており、同社の評価額は27億ドルに達する見込みだ。
大手プレーヤーが事業規模を拡大する中、業界再編は避けられない状況となっている。「ロボティクス業界は、未開拓の領域だ」とRockは話す。
Seegridは、2003年にカーネギーメロン大学からスピンアウトする形で設立された。創業メンバーの1人であるHans Moravecは、同大学でロボティクスの研究をしていた。Seegridの株式の過半数は、スーパーマーケットチェーン「Giant Eagle」が保有している。
Seegridの事業は急成長しており、昨年は売上高が前年から倍増し、7000万ドルに達した。Rockによると、同業他社の多くが赤字だが、Seegridは黒字を確保しているという。PitchBookによると、同社はこれまでに1億5200万ドルを調達しており、評価額は4億5000万ドルに達する。
現在52歳のRockは、Vocollect Healthcare(現ハネウェル子会社)の元社長だ。Seegridは、前社長が大株主のGiant Eagleと対立して退任した後、米連邦破産法11条の適用を申請した。Rockは、その後2014年9月にCEOとしてSeegridに参画した。