フォーブスがセキュリティーの専門家4人に話を聞いたところ、夫妻が24時間体制の警護を依頼すれば、そのためにかかるコストは年間およそ200万~300万ドル(約2億2000万~3億3000万円)になるという。
夫妻が昨年初め、英王室の公務から引退する意向を表明、カナダに滞在していた間は、世界中のどこでも王室メンバーの警護を担当するロンドン警視庁の職員が、夫妻に同行していた。だが、それは夫妻の王室離脱が決定するまでのことだ。
4月にカリフォルニア州ロサンゼルスに移住した夫妻は当初、映画プロデューサーで富豪のタイラー・ペリー所有の警護付きの邸宅に滞在した。そして、同州サンタバーバラの海沿いの高級住宅地モンテシートに住まいを構えた昨夏以降は、警備にかかる費用を自ら負担している。
ただ、ハリウッドの著名人なら誰でもそう指摘するとおり、警護が必要なのは、広大な敷地とそこに建てられた邸宅だけではない。外出する際には警備会社が事前に行き先にチームを派遣して安全を確認し、移動中は警護車が車列を組んで同行する。
警護担当者は脅威を特定するため、常時SNSへの投稿を監視し、地元警察とも連絡を取り合う必要があるだろう。パパラッチを追い払うために、おとりを使うこともある。
セレブは常時リスクに直面
警備会社APAセレブリティ&エグゼクティブ・プロテクション・グループのD-テフロンはヘンリー王子について、「リスク評価が適切に行われていなかったことで母親を失った」と述べている。ダイアナ元妃は1997年、パパラッチの執拗な追跡を受け、自動車事故で死亡している。
一方、ビバリー・ヒルズに拠点を置く警備会社、ワールド・プロテクション・グループのケント・モイヤー最高経営責任者(CEO)は、「ヘンリー王子は初心者ならではの過ちを犯した」と指摘する。