それは、王子が自宅を自身の名義で購入したことだ。公的な記録が残され、一家の住まいは「10分も歩けば特定されてしまう」という。
また、モイヤーによると、著名人にとって最大の脅威は「内部」に潜んでいる場合もある。公爵夫妻の隣人の1人、人気トーク番組の司会者エレン・デジェネレスとパートナーのポーシャ・デ・ロッシは昨夏、24時間体制で警備員を配置し、常に防犯センサーを稼働させているにもかかわらず、盗難の被害に遭った。犯行は「内部の者」によるものだった。モイヤーは自身の経験から、顧客にとって最も危険なのは、「警備の責任者か、親しい友人」だと話す。
さらに、ADエンターテインメントのアンソニー・デイビスは、ただコーヒーショップに行くだけでも、事前の安全確認が必要な場合があると語る。
警備担当者は、目的地の周辺に怪しい者はいないか、混雑していないか、道路工事による渋滞で身動きが取れなくなり、ターゲットにされる危険性はないかなど、数多くの不確定要素について考慮する必要があるという。
一方、ピンカートン探偵社のジェイソン・ポーターは、著名人にとってはSNSの投稿もリスクをもたらすと注意を促す。自宅を離れていることを書き込めば、留守中であることを広く知らせることになる。2018年にはハリウッドヒルズ地区で侵入窃盗が相次いだが、その背景にはセレブたちの投稿があったという。