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Photo by Kevin Mazur/Getty Images for The Recording Academy

3月15日に開催された第63回グラミー賞の授賞式で、ビリー・アイリッシュのシングル「Everything I Wanted」がレコード・オブ・ザ・イヤーに選ばれた。

アイリッシュは昨年のグラミー賞でも「Bad Guy」で同じ賞を獲得しており、2年連続でレコード・オブ・ザ・イヤーを獲得する、歴史的快挙を成し遂げた。

レコード・オブ・ザ・イヤーを2回獲得したアーティストは、彼女を含めて5組のみであり、アイリッシュは間違いなく歴史に名を残すシンガーになった。この偉業を達成したアーティストはこれまで、サイモン&ガーファンクルとU2、ロバータ・フラック、ヘンリー・マンシーニのみだ。ポール・サイモンはソロ時代も含めると計3回受賞しているが、女性アーティストで2回受賞したのは、フラックとアイリッシュのみだ。

さらに、現在19歳のアイリッシュは、史上最年少で複数のレコード・オブ・ザ・イヤーを受賞したアーティストであると同時に、同賞を2年連続で受賞した3人目のアーティストでもある。これまで、U2とロバート・フラックがこの栄冠に輝いたが、アイリッシュはその中で最年少であり、女性としては史上2人目のこの記録の保持者となる。

史上初めてレコード・オブ・ザ・イヤーを2年連続で受賞したミュージシャンは、1961年公開の映画「ティファニーで朝食を」の主題歌「ムーン・リバー」を作曲したヘンリー・マンシーニだった。彼は62年の映画「酒とバラの日々」のテーマ曲でも同賞を受賞していた。

その後、サイモン&ガーファンクルが1969年に「ミセス・ロビンソン」でレコード・オブ・ザ・イヤーを受賞し、その2年後に「Bridge over Troubled Water(明日に架ける橋)」で2度目の同賞を受賞した。

さらに、1971年と1972年に2年連続でレコード・オブ・ザ・イヤーを受賞したロバータ・フラックが、このグループに加わった最初の女性アーティストとなった。彼女は「The First Time Ever I Saw Your Face(愛は面影の中に)」と「Killing Me Softly with His Song(やさしく歌って)」の2曲で同賞を受賞していた。

その後、U2が2000年のアルバム「オール・ザット・ユー・キャント・リーヴ・ビハインド」に収録した楽曲「ビューティフル・デイ」と「ウォーク・オン」で2年連続で、同賞を受賞していた。

アイリッシュの「Everything I Wanted」は、2019年11月にリリースされ、チャートの上位にはそれほど長く留まらなかったが、批評家たちから高く評価された点で際立っている。この曲のプロデュースと共同作曲を担当した、彼女の兄のフィニアス・オコネルも、今年のレコード・オブ・ザ・イヤーに名を連ねている。

さらに、昨年の「Bad Guy」にも参加したマスタリングエンジニアのJohn Greenhamとエンジニア兼ミキサーのRob Kinelskiも、アイリッシュと共にレコード・オブ・ザ・イヤーを受賞した。

編集=上田裕資

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