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2021.03.15 17:00

起業家が手本とすべき、ヘンリー王子夫妻のスタートアップ戦略

ヘンリー王子夫妻(Photo by Chris Jackson/Getty Images)

世界に向けて新しいブランドを紹介したいとき、女優としての経験は役立つはずだ。2021年3月7日、英王室を「離脱」したヘンリー英王子と妻のメーガン妃が、オプラ・ウィンフリーのインタビューに応じた注目の番組が米CBSで放送された。

2人は、どのような質問にも包み隠さず応じ、「ザ・ファーム」(英王室を企業にたとえた表現)について衝撃的な告発を行って、自分たちの言い分を語った。英王室にとっては不快な内容だ。しかし、それよりも大事なのは、ヘンリー王子とメーガン妃が、非営利活動とクリエイティブメディアの制作を行うライフスタイル・ブランド「アーチウェル」を立ち上げたことだ。そのタイミングと背景は、かのスティーブ・ジョブスをもうならせるものだ。

ウィンフリーを相手に自分たちの人生を語ることに何か目的があったのだとしたら、ヘンリー王子とメーガン妃はそのすべてを達成した。2人のインタビューは、起業家を目指す人たちにとって学ぶべきところが多いものだ。尊厳を失うことなく堂々と前職を辞し、自らのライフスタイルにより適した新しいビジネスを始めると同時に、身を置く世界で重要なプレーヤーであり続けるにはどうしたらいいのか、その方法がよくわかるからだ。

インタビューのメーガン妃は、ときにチャーミングで、ときに親近感を覚えさせる弱さを見せる。彼女が今後、世界的な慈善活動家として重要な役割を果たしていくことになるのは間違いないだろう。インタビューでは、ヘンリー王子と結婚して妃になるうえで知っておくべき基本について楽し気に語っている。基本とはたとえば、「カーテシー」(女性が目上の人に対しひざを折って行うお辞儀)などだ。

そのストーリーテリング術は聞きほれてしまうほどで、華やかだが困惑に満ちた王室での生活へと視聴者を引き込んだ。テレビの前にいた人たちはみな、メーガン妃になったつもりでカーテシーをやってみながら、そうした奇妙な慣例について、なんて不可解で、時代遅れで、ちょっとばかげていると考えたのではないだろうか。
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編集=遠藤康子/ガリレオ

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